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「アップルのAI戦略」が競合とあまりに違う事情 ChatGPTと"連携"したアップルらしい理由

東洋経済オンライン / 2024年6月13日 7時0分

これに対して、Apple Intelligenceは、そもそもAIにどんなことが頼めるかを知らない人でも、AI機能が必要なときに必要な場所に表示されるという設計を目指している。

AIに何を頼めばいいかがわからない人に配慮

例えばAIが得意とする作業に文章の校正や要約がある。

ほかのOSではワープロの文字入力画面の脇に表示される対話型ウィンドウに「要約して」だったり、「もっと丁寧な言い回しに書き直して」といったプロンプト(言葉による説明)を書く必要がある。

これに対してMacでは、人間があらかじめ書いた文章を選択し、Apple Intelligenceを起動すると、「推敲する」「よりプロフェッショナルに見える表現に直す」「(選択した文章を)要約する」「説明する」「要点を箇条書きにする」「内容を元に表を作る」など、ユーザーが最もよく行うであろう文章操作がメニューとして現れる。

例えば「子供でもわかるように書き直す」など、より詳細な要求がある場合のみ「説明する」ボタンを押して、その要求を説明すればいい設計だ。

同様に生成AIに絵を描かせたい場合、「こんな感じの絵が欲しい」というラフスケッチを描いた後、その絵を丸で囲めば、画面に「絵を生成する」というメニューが表示されるので、それを選べばより洗練された絵に描き直してくれる(さらに詳細な絵、スケッチ風の絵など絵のスタイルを指定して変更を加えることもできる)。

このようにユーザーがAIをどのように利用できるかを知らなくても、最も典型的な活用ができる場面に、ちゃんとその活用方法がメニューなどの形で自然に表示され、希望のメニューを選べばAI機能が呼び出せるというのがApple Intelligenceの設計の基本になっている。

Apple Intelligenceは、このほか「母親を空港に迎えに行くのは何時?」など複雑な要求にも応えてくれる。こうしたより込み入った要求は、音声アシスタントのSiriを通して伝える設計になっている。声が出せない場面や、話し言葉よりも書き言葉の方が伝えやすい場合は、文字で伝えることも可能だ。

「会議の開始時間が遅れたが、子供の学芸会に間に合うか」といった複雑な問いかけに対しても、自分の子供が誰で、学芸会の時間が何時に始まるか、会議の場所から学芸会の場所までの道路がどれくらい渋滞しているかなどを調べたうえでちゃんと答えてくれる。

プライバシー保護こそが最大の強み

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