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「すぐ疲れる」「だるい」と不調な人の意外な盲点 自分でもできる「慢性疲労」を解消する方法

東洋経済オンライン / 2024年6月14日 17時0分

自分でもできる「慢性疲労」を解消する方法

上咽頭を健康な状態に戻すうえでEATはもちろん重要ですが、セルフケアとして上咽頭を洗う「鼻うがい」「上咽頭洗浄」は炎症を抑え、ウイルス、粉塵、黄砂など、炎症を引き起こす原因から上咽頭を守るために役立ちます。

鼻は自然に備わった空気浄化装置ですが、口から吸いこんだ空気は浄化作用を受けないまま、上咽頭を刺激してしまいます。そこで、口呼吸の習慣のある人は普段の呼吸を鼻呼吸に変える必要があります。そのために役立つのが舌位置アップのための「かにゆで体操」や就寝時の「口とじテープ」(マウステープ)です。

微小循環の障害で生じた瘀血(おけつ。炎症物質が含まれる汚れた血液)は健康の土台が傾く原因となるため、取り除く必要があります。上咽頭の瘀血はEATで取り除くことができますが、全身の瘀血を取り除くためには「パワーかっさ」(強めのかっさ)が有効です。また、「パワーかっさ」は自律神経システムにも好影響を与えます。

慢性疲労を訴える患者さんの自律神経の状態は、単に交感神経と副交感神経のバランスが崩れているだけでなく、交感神経レベルと副交感神経レベルがともに低下した状態と言えます。自律神経システムが健康な状態とは、交感神経と副交感神経(約80%が迷走神経)の両方が適度に緊張しており、ゆったりとしているけれども適度な緊張感と集中力があります。

交感神経レベルが高くて副交感神経レベルが低い状態の典型が「闘争」と「逃走」です。喧嘩しているとき、火事や突然の自然災害などで急いで危険な状態から逃げ出しているときなど、瞬発力と集中力が高まった状態ですが、同時にストレスが大きい状態です。交感神経レベルが低くて副交感神経レベルが高い状態は、まったりとリラックスした状態ですが、意欲や活力は乏しい状態です。

「慢性疲労」は交感神経レベルも、副交感神経レベルも低下した不安定な状態です。動悸、イライラ感、不眠、不安などの症状は副交感神経レベルが極度に低下しているために交感神経系が相対的に優位になることで生じます。

「慢性疲労」から解放されるセルフケア

この状態では副交感神経レベル、あるいは副交感神経レベルと交感神経レベルをともに高めることが必要な治療となります。EAT、頭部の治療ポイントを中心とした「鍼治療」(YNSA)、皮膚に刺したときに出血しない程度に尖った金属棒で治療ポイントを突っつく「チクチク療法」(無血刺絡療法)には直接迷走神経を刺激して副交感神経レベルを高める作用があります。自然塩を溶かした塩水を飲む「塩水療法」にもこの作用がある程度期待できます。

低温サウナを利用して体を温める「和温療法」は副交感神経レベルのみを高める治療法で、副交感神経レベルが特に低くて交感神経優位の状態の患者さんにおすすめです。

こうしたさまざまな治療法、セルフケアを組み合わせることで、1人でも多くの方が「慢性疲労」から解放されることを祈念しています。

参考文献
1. Davis HE, et al. Nat Rev Microbiol (2023). https://doi.org/10.1038/s41579-022-00846-2
2. Lladós G et al. Clin Microbiol Infect (2023). https://doi.org/10.1016/j.cmi.2023.11.007

堀田 修:医師・医学博士

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