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しまむらAIモデル「瑠菜」魅力を感じさせる特徴 平均顔に絶妙なアレンジが加えられている

東洋経済オンライン / 2024年6月14日 12時20分

AIのファッションモデルを採用したしまむら(編集部撮影)

5月下旬、衣料品販売チェーンの「しまむら」が新店舗をオープンすることに伴い起用したファッションモデルに注目が集まっています。「瑠菜(るな)」という名前の服飾専門学校生、20歳。普通に綺麗なモデルさんに見えますが、Instagram「lunagram_158」に投稿された「瑠菜」の容姿に賛否両論のコメントが寄せられています。

【画像を見る】瑠菜の全身ショット

「瑠菜」に対する私たちの反応

「るなちゃんメッチャ可愛い」

「魅惑の微笑みじゃ!」

「わたしも早くこんな風になりたいです」

といったポジティブなコメントがある一方で、

「生身の人間を応援したい」

「なんだか違和感があります」

「どんなに綺麗だとしても生身の人間のモデルさんがいいなぁ……」

というネガティブなコメントもあります。

「生身」という言葉からお察しの通り、「瑠菜」は生成AIで作られたモデルなのです。本稿は、生成AIモデル「瑠菜」の印象に対する私たちの反応を、表情・顔分析、AI・ロボット研究の視点から考えたいと思います。

6月10日(月)までに「瑠菜」のInstagram「lunagram_158」に投稿された写真の中で、「瑠菜」の顔写真は、同じカットを含め、27枚。コメント欄に

「言わなければ本当わからない‼️」

「AIモデルということは実在しない方なのですね?」

「AIすごい!めっちゃリアル」

とあるように、現在の生成AIは、「外見や動きが人間に近づくほど親愛度は高まるが、ある程度似てくると不気味に感じる」という有名な「不気味の谷」状態を越えて、実在の人物とほぼ変わりがありません。

AI顔と本物の顔、私たちはどちらを好むのか?

近年、AIによって作られた顔(=AI顔)と本物の人間の顔(=本物の顔)を実験参加者に識別してもらう実験がいくつか行われていますが、参加者は両者を識別することができないだけでなく、AI顔をより本物の人間の顔だと偏って認識したり(Millerら, 2023)、AI顔をより信頼したり(Nightingaleら, 2022)する傾向にあることがわかっています(※)。

Millerら(2023)によれば、AI顔は本物の顔より平均的な顔をしており、この平均性が親近感を生じさせているとしています。この度の生成AIで作られた「瑠菜」の顔は、ただの平均顔ではなく、美しい顔の平均顔だと考えられます。

美人コンテスト出場者の顔を合成し、平均顔を作成すると究極の美人顔ができます。「瑠菜」の場合、顔のパーツ、顔の向き、表情などのアレンジは加えられていますが、美しい顔の平均顔に該当するでしょう。

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