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ミセス「コロンブス」MV大炎上への強烈な違和感 謝罪は迅速かつ的確なのに、なぜ公開に至った?

東洋経済オンライン / 2024年6月14日 16時50分

公開中止に際して、レコード会社であるユニバーサルミュージック(所属レーベル;EMI Records)と、所属事務所のProject-MGAは連名で、レーベルと事務所でMVを制作したと説明し、「歴史や文化的な背景への理解に欠ける表現が含まれていた」「当社における公開前の確認が不十分」などと謝罪した。

その数時間後には、大森さんからも謝罪文が出された。

「類人猿が登場することに関しては、差別的な表現に見えてしまう恐れがあるという懸念を当初から感じておりましたが、類人猿を人に見立てたなどの意図は全く無く、ただただ年代の異なる生命がホームパーティーをするというイメージをしておりました」(謝罪文より)

こうした懸念から、「意図とは異なる伝わり方」を避けるべく、スタッフとの確認を重ねていたといった経緯を説明しつつ、「ある事象を、歴史を彷彿とさせてしまうMVであったというご指摘を真摯に受け止め猛省」しているとした。

キャンペーンソングとして起用していた日本コカ・コーラも、この日、報道各社に「コカ・コーラ社はいかなる差別も容認しておりません。今回の事態を遺憾に受け止めております」とのコメントを出し、今後は「コロンブス」による広告展開を控えるとした。なおMVの事前確認はしていなかったという。

ここまでの一連の経緯を見てみると、事後対応については、極めてまっとうな印象を受ける。SNSで炎上状態になってから、非公開までのスピードの速さしかり、謝罪文や企業コメントが出されるタイミングも、比較的迅速と言えるだろう。

レーベルと所属事務所の謝罪文には、「レーベル・事務所双方の責任を認める」「問題点を具体的に認識している」といった特徴が見られ、これも直後のコメントとしては、おさえるべきポイントをおさえていると感じる。

また、大森さん自身の言葉で、改めて経緯説明が行われることで、表面的な謝罪のみならず、「MVに込めていた意図」「制作上に懸念があったこと」「その懸念を拭うべく行った対策」「しかしながら、結果として『何を連想させるのか』の配慮に欠けていたこと」などが示されたことも大きい。

グローバル企業であるコカ・コーラの対応も、比較的早いと言えるだろう。MVの事前確認をしていなかったとなると、炎上して初めて対応を考えたことになる。すでに広告展開しているなか、楽曲使用を取りやめるという判断は、費用面でも重いはずだ。それでもなお「即日中止」を決めたのは、出稿継続がそれだけ大きなリスクだと判断したからだろう。

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