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「世界一即戦力な男」が浪人して東洋大目指した訳 6年間引きこもり、夢をかなえるゾウ作者との縁

東洋経済オンライン / 2024年6月16日 8時0分

15歳で所属がなくなった菊池さんは、引きこもりになりました。特に何も考えずにただ好きなコンテンツをネットで見る日々を送ります。それでもまだ、菊池さん自身は大学に行きたい気持ちはあったそうです。

「高校を辞める際に親と相談したのですが、そのときの説得に使ったのが『大検(現・高等学校卒業程度認定試験)を取って大学に行く』という条件でした。大検の存在は、中2〜中3のときに学校に行かずに『キッズ・ウォー』を見ていたときに知りました。そこに登場する家族の長男が大検を取ろうとしていたんですね。いま思えば制作陣は僕みたいな不登校の子にメッセージを送っていたのだと思います。

それで中退を認めてもらったのですが、辞めたあとも悲観的にはならず『(大検の)試験まではモラトリアム突入だ、やった!』というように、長い夏休みのような感覚でした。大検はその当時年2回実施されていました。私は次の年の夏に受験すると決めて、試験に備えて勉強したのですが、残念ながら落ちてしまいました」

「好きなネットのコンテンツを見ながら、大検用の参考書を一通り揃えて勉強をした」と語る菊池さんは、試験の1カ月前から1日中勉強したこともあり、再び受けた12月の試験で無事に合格し、大学受験ができる資格を手にします。

しかし、これで満足した菊池さんは、高校3年生の年齢からずっとネットに入り浸る生活を送るようになります。

「大検を取ったら肩の荷が下りました。また『人生の締め切り延長だ!』といった状態で、何の危機感もなく、ネットの沼にはまっては、コンテンツばかり見ていましたね。ただこのときに、『はてなダイアリー』でブログを書いて2万PVを取れたことで、こんなにPVを稼げるのなら、ブロガーからライターになる道があるのかもしれないと意識できたのはよかったです」

ここから彼の引きこもり生活は22歳まで続きます。その生活の中で、彼の人生に大きな影響を与えた出会いがありました。

『夢をかなえるゾウ』の水野敬也さんとの出会い

「当時、『夢をかなえるゾウ』の作者である水野敬也さんのブログが面白いなと思って読んでいたんです。水野さんと映像ディレクターの古屋雄作さんが毎週ネットラジオをやっていて、それも聞くようになりました。

そのラジオで『後輩オーディション』という2人の『後輩』を募集する企画をやっていたので、2浪の年齢(20歳)のとき、3回目のオーディションに応募したんです。それで水野さんと古屋さんに面接をしてもらったのですが、古屋さんに何かあると思っていただけて、月に1回程度、映像制作の手伝いをさせていただくようになったのです」

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