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「心の病もたらす」現代人を蝕む4つのストレス 「ネガティブな想像力」をかきたててしまう

東洋経済オンライン / 2024年6月17日 20時0分

ネガティブな想像力から生まれてしまったのが、共同体同士の争いです。他の共同体が、自分たちの利益を侵害しようとしている、という想像は争いの火種になりやすいものです。ウクライナやイスラエルで続く戦争でわかるように、いまもなお、争いは世界のさまざまなところでくり返されています。

想像力が心の病をつくることになったのは、想像力を働かせることで、ポジティブな成分も、ネガティブな成分もより強くなったからです。要するに、平常心、不安心ともに肥大化させることになったのです。

心にとって平常心の肥大化はうれしいことですが、不安心の肥大化はネガティブ思考を深刻にします。不安心が大きくなれば、それだけ自己の中心が不安心にあることが多くなるからです。

そもそも想像力は、人を不安にさせるものです。なぜなら、想像力を働かせて未来のことや相手のことを考えると、わからないことだらけだと気づくからです。人間は、知らないことに対して、不安や恐怖を感じやすいところがあります。

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みなさんにも、知ることで不安が消えた、怖くなくなったという経験があると思います。私たちは、人に対しても、社会に対しても、それだけ想像力を働かせて解釈するところがあるのです。

他の動物に生存を脅かされることがなくなったいまの時代、不安心の多くは、周囲の人間の言動から生まれています。自分を嫌っているのではないか、自分に対してマイナスな行動をとるのではないか、という妄想を抱き、そのことで自分の存在を脅かされるという恐怖を感じるからです。

「自分は生きる価値がない」

「自分には居場所がない」

「自分は必要とされていない」……。

そうした不安心を大きくするのもまた、想像力です。そして、私たちのまわりには、存在不安につながる要素が生活のあらゆる場面にあります。それを総称して、私たちは「ストレス」と呼んでいます。

自分の存在を脅かす「4つのストレス源」

ストレスの元となる「ストレス源」は、「集団社会から受けるストレス」「家族から受けるストレス」「自分の心の状態から受けるストレス」「自分の体の状態から受けるストレス」という4つに分けられます。

集団社会から受けるストレスとは、会社や学校、地域社会などといった共同体の中で活動することで受けるストレスです。

現代社会では共同体が多層化しています。インターネット上の共同体も含めると、小さなコミュニティやグループは無数にあるといっていいでしょう。家族以外の人と接する場所が会社や学校に限定される人は、ほとんどいないと思います。

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