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「心の病もたらす」現代人を蝕む4つのストレス 「ネガティブな想像力」をかきたててしまう

東洋経済オンライン / 2024年6月17日 20時0分

仕事をしているだけでも、勉強をしているだけでも、何かしらのストレスを受けるわけですから、活動する場所が増えれば、それだけストレスを受けるリスクは高くなります。

昔は、家族は、集団社会から受けたストレスを癒す小さな共同体でした。それが、どんどん大きくなっていく共同体での家族の役割だったはずです。しかし、核家族化が進み、構成人数が少なくなることで守る力が弱くなってきています。

それどころか、外でのストレスを消化しきれないまま家に戻ることで家族がストレスの発散場所となり、それが他の家族にとってのストレスになることもあります。

自分の心の状態がストレス源になることもあります。

患者さんの多くは、心の病の症状がいちばんのストレスだと口にします。心の病が、さらに不安心を大きくしているのです。

心の病でなくても、たとえば憂鬱でやる気が起きない日が続いたり、家族に怒りっぽくなっている自分に気づいたりすると、ストレスになります。記憶力や判断力などが低下してパフォーマンスが落ちると自分が許せなくなります。

体の状態が悪くなっても、やはりストレスになります。

いままでできていたことができなくなる、時間がかかるようになるとストレスになるし、痛みが続いたり、だるさが続いたりすると気分が落ち込みます。

こうしてみていくと、心の病にならないのが不思議なくらいに、私たちのまわりはストレスだらけです。だからこそ、心の病は「生活者の病」と言われるのです。

「不安の積み木」の重なりが生む「心の病の種」

不安心は、さまざまなストレスを受け、ネガティブな記憶が積み重なっていくことで大きくなります。そのイメージから、私は「不安の積み木」と呼んでいます。

そして、積み木が重なっていく過程で、心の病につながる「心の病の種」が生まれます。心の病の種とは具体的にどういうものなのか。たとえば、「劣等心」などがそれに当たります。

誰かと比べて自分は劣っていると感じる経験は、誰にでもあると思います。それが何度もくり返されることでつくられるのが病の種です。劣等心の種があると、うつ病を発症することがあります。どういった種が生まれるかは、環境や体質、経験などによって人それぞれ異なり、その違いが症状の違いとして現れます。

しくみは同じでも、ある人はうつ病、ある人は統合失調症、ある人はパニック障害などと発症する心の病が異なるのは、不安心につくられる種の違いにあるのです。

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