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伝説の編集長が伝授!「変化が起こる」銘柄発掘術 株式分割、英文開示…「株の民主化総仕上げ」狙え

東洋経済オンライン / 2024年6月17日 9時0分

(写真:show999 / PIXTA)

インフレ時代になると預金金利や賃金の上昇分だけで、物価上昇分を補えない可能性が出てくる。そのギャップを埋め、今の生活水準を守るには、「株式投資」が有効手段の1つだ。

『週刊東洋経済』6月15日号の第1特集は「株の道場 インフレ時代に勝てる株」。『会社四季報』3集夏号の業績予想を先取りしつつ、株式投資に役立つ情報を盛り込んだ。

日本の株式相場は3月に高値をつけて以降、冴えない展開が続いている。銘柄選びに四苦八苦している投資家は多いだろう。そういうときこそ『会社四季報』をじっくり読んで、上がる株を探していただきたい。

会社四季報の伝説の編集長が伝授する市場の「変化が起こる」ときの銘柄発掘術

四季報の最大の効用は、気づきにある。株式市場は変化を求める。四季報をじっくり読めば、変化に気づくことができる。

ここでは四季報を見て、ライバル企業を出し抜いて株価が上昇する銘柄に気づく方法を解説しよう。

クイズをひとつ。コロナ禍が明けて人流が回復したときに、株価がより上がる私鉄大手は、東急と京成電鉄のどちらだろうか?

株式市場が評価したのは

下に東急と京成電鉄の四季報誌面を掲載した。社名の横の【連結事業】欄には、東急が「交通19」、京成電鉄が「運輸業58」とある。19と58という数字は、連結売上高全体に占めるその事業の割合だ。交通と運輸業、名称こそ違うがどちらも鉄道・バスなどの交通運輸事業と考えられる。つまり、東急は売上高の19%、京成は58%が交通運輸事業ということだ。

連結事業欄を見ると、東急は交通運輸以外に、不動産、生活サービス、ホテル・リゾートなど事業の多角化が進んでいることがわかる。一方、京成電鉄は交通運輸が主力のままで収益源の多角化が進んでいない。東急のほうがバランス型経営でリスク分散できており、経営者の手腕としては評価できる。

しかし、株式市場が評価したのは東急より京成電鉄だった。

2023年3月から4月にかけて、新型コロナの感染症法上の分類が5類へ移行することが見えてくると、東急も京成電鉄も株価が上昇に転じた。実際に5月に5類となり、多くの人が鉄道やバスに乗り交通運輸事業の収益が改善。そのときに株価の上げ幅を拡大したのは東急より京成電鉄のほうだった。

何せ京成電鉄は売上高の過半を交通運輸事業に依存している。収益回復のインパクトが大きい。東急はじめほかの関東私鉄大手は全社22年3月期に黒字化していたが、京成電鉄だけはなお赤字だった。株式市場は変化を好む。赤字のダメ会社が黒字に転換するなど、変化率が大きければ大きいほど株価上昇は大きくなる。東急と京成電鉄の違いはその典型だ。こうしたことに気づくヒントが四季報には満載されている。

株式分割を先取り

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