お互いに「承認し合う」職場はなぜ「幸せ」なのか 「声をかけて・質問して・話を聞く」が基本
東洋経済オンライン / 2024年6月17日 17時0分
「そんなに単純に因果をつくるな」とお叱りを受けそうですが、みんながお互いの存在を承認し合うようになれば、この順位は上がるように思います。なぜなら「自分の存在が周りから承認されている」という感覚は、幸福度を高めることに大きく寄与すると思うからです。
他人を承認すると幸せな気持ちに
脳科学者たちは、他人から認められたときに、ドーパミンといった快楽物質が脳内で分泌されることを突き止めています。「快楽物質が出る」イコール「幸福度が高まる」とは一概には言えませんが、相応の相関関係はあるでしょう。
そして、おそらく、自分の体験をもとに言わせていただければ、誰かを承認すると、承認している私の脳にも快楽物質が分泌されます。いい感じになるのです。
同様に、ペットセラピーというのは、ペットが癒やしてくれるというよりも、ペットを可愛がろうとして、声をかけたり、世話をしようとしたりすることが癒やしにつながるという側面が大きいようです。
ペットを愛でると、オキシトシンという愛情ホルモンが人間側に出ることがわかっています。そうであれば、人を承認するときにも、オキシトシンが出ているのは何の不思議もありません。
そしてドーパミン、セロトニン、エンドルフィン、オキシトシンはいずれも「幸せホルモン」と呼ばれることがあります。
承認すれば、向こうもこちらも心の状態が良くなる。承認し合う社会は、きっと幸福度の高い社会でしょう。しかし、現実はそうなっていません。なぜでしょうか?
理由は大きく3つあると思います。
まず、基本的には、人の意識の大半は自分の存在が承認されているかどうかに向かっています。それに比べれば、周りの人を自分が承認するというところに意識のベクトルが向く頻度は、それほど多くありません。
当然と言えば当然で、人は社会の中でまずは自分が生き残っていかなければならないからです。生き残るためには、周りからその存在を認識される必要があります。
存在への承認が不足することは、サバイバルの可能性の低下と脳は受け止めます。ですから、脳は自分が認められているかどうかを確認することに気ぜわしい。他人の存在を承認するというところになかなか気持ちは回りません。
アメリカはなぜお互いに存在承認し合うのか
2つ目は、他人を承認することが自分に何をもたらすかについて、明確に言語化できていないという点です。
人は、自分にプラスをもたらすもの、あるいはマイナスを回避してくれるものを行動として選択する傾向が強いと思います。たとえば、アメリカは、日本に比べると、はるかにお互いに対する存在承認が社会全体で多いです。
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