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飲食店を悩ます「ドタキャン」何が問題なのか やむを得ないキャンセルのときにできること

東洋経済オンライン / 2024年6月17日 11時0分

北さんに回収を依頼している飲食店の多くは個人店、価格帯は比較的カジュアルな店が多いという。予約人数では2名から6名程度の依頼が多いそうだ。

その理由として、高級店と大規模チェーン店にはそれぞれ、ドタキャンが比較的少ないことの理由があるという。

「高級店はドタキャンの発生頻度が低いこととデポジットの導入なども可能なことから、ご依頼の頻度は低いです。また大規模チェーン店は予約のリマインドをシステムとして導入できていることが多く、かつ予約の比率がそれほど高くないこともドタキャンでの依頼が比較的少ない理由です」(北さん)

宮本さんも「キャンセルの件数自体は昔から比べれば減っている」という。その理由として「キャンセルしたらキャンセル料金を支払うという感覚が社会的通念としてある程度浸透してきた」ことを挙げる。

最終的にはシステム構築とゲストのモラル

それでも、やはりドタキャンはなくならず、そのたびに大きな損失を店舗にもたらしている。

宮本さんも、悪天候や事故などの避けられない理由でのドタキャンの場合はほとんどキャンセル料をとっておらず、ウェブ予約ではクレジットカードの登録を必須にもしている。

しかしながら、昔からの常連や高齢のゲストなどからの予約はまだ電話が多く、予約の間口を広げておくためにも、予約をネット経由だけにしぼることはできないと言う。

「ホテルや飛行機でキャンセル料を払うのは一般的になってきたのに、飲食店のそれはまだ難しいのが現実です。その理由は、残念ですが飲食店の『キャンセルするときは連絡して。キャンセル料の規定を守って』という声が一般の方に届いていないということ。行政に働きかける力もまだ弱いと感じています」(宮本さん)

ただ、キャンセル対策を工夫する余地もまだある。

「リマインドのシステムの構築やキャンセルの連絡をやりやすくすることで、ある程度は防げるかと思います。キャンセル客の全員がモラルの欠如や悪意からキャンセルしているわけではないからです。督促するとあっさり払ってくる事案も多いです」(北さん)

予約が「未来の時間を約束する」という性質をもっている以上、どのように注意してもドタキャンをゼロにはできない。だからどうしてもドタキャンをしなければならない場合は、なるべく早く店に連絡すること、そしてキャンセル料について話し合うことが必要だ。

冒頭の宮本さんの言葉を借りれば、「お互いに人間同士、誠意を持って話し合って折り合いをつけるのが一番なんじゃないでしょうか? お店の人も人間なんです。」

キャンセル料を実際に払ったゲストとは、その後、円満な関係を築ける場合が多いのだそうだ。

星野 うずら:レストランジャーナリスト

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