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ハワイ追い抜く「沖縄」観光地モラル低下のヤバさ サンゴの踏みつけなど生態系への影響も問題に

東洋経済オンライン / 2024年6月17日 15時0分

無店舗型のシュノーケリングショップなどが、駐車場にワゴンを置きっぱなしにして営業しているケースがあるためである。

この恒常的な混雑により、近隣集落内で違法駐車が相次ぎ、地域住民から状況の改善を求める声が出ている。真栄田岬には、1日最大で7000人が訪れることもあるため、サンゴの踏みつけなどの生態系への影響も問題視されている(「琉球新報」2021年10月22日)。

また、コロナ前はインバウンド観光客の増加に伴い、中国人を対象とした法人登録をしていないと思われる事業者も多く見られ、苦情を言おうにも言葉が通じなかったり、マナー違反が目に余るといった状況が存在した。

成田空港の白タク問題もしかり、中国人観光客にとっては、中国語で案内されるほうが便利で快適なことは間違いないが、日本の関連法規に従っていないと思われるケースが散見され、喫緊の対策が必要である。

事業者のモラルの低さも課題

真栄田岬では、違法駐車やサンゴ礁の劣化といった問題を受けて、2021年に初の「実証実験」が行われた。

これは内閣府沖縄総合事務局が主導したもので、2021年11月8日から12月6日の約1カ月間、海域に入場するマリンレジャー事業者や一般利用者は、施設管理会社に届出を提出する、というものである。

実証実験では、真栄田岬公園駐車場や海域の混雑状況を改善するため、利用時間を1人(1隻)あたり100分とし、同一時間帯の海域利用者数を200人に制限した。

また、損傷しやすい種類のサンゴ礁が生息する一部区域を「進入禁止区域」に設定し、隣接地域との比較分析も行うことを目的とした。

2022年3月には、約200ページに及ぶ報告書が公開されているが、その内容は、極めて示唆に富むものである。

たとえば、実証実験では、海域の利用届の提出を求めたが、利用登録に協力しなかった事業者(ショップ)が半数以上あり、「税務署へ報告するのか」といった発言や、実証実験を行う職員を恫喝する事案も発生するなど、事業者のモラルが低いことが指摘されている。

そのほか、領収書を発行しない、案内人数の虚偽報告、迷惑行為を行う、占有行為を行う、サンゴ保全に対する意識の低さ、安全管理がなされていないなど、オーバーツーリズム以前の問題とも思われる事業者が多数存在することが指摘されている。

こうした悪質な事業者を排除できないのが、沖縄の現状である。

実は真栄田岬周辺は、「沖縄海岸国定公園」という自然保護区に指定されており、特に環境保全や質の高い観光利用が求められる地域である。

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