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ミセス炎上「コロンブス」が持ち込んだ酷い病気 先住民「数十万人が2000人に激減した島」の悲惨

東洋経済オンライン / 2024年6月19日 12時30分

たとえば1550年代末から1560年代初めにかけての事例がそのひとつだが、この時はインフルエンザが中心だったようだ。被害の報告も増え、1576~1591年には複合的な感染爆発が起こるに至った。疫病が全面的に蔓延して生き残っていた人びとの命を奪った。まずチフスが、続いて天然痘とはしかが手を携えて襲来した(1585~1591年)。

これは、こんにちに至るまで最も過酷な出来事のひとつである。

伝染病は17世紀前半まで猛威を振るい続けた。おそらく威力は弱まり、地域によって被害には大きな差があっただろうが、それでも破壊力はすさまじかった。

大勢が死亡し、それに伴って秩序が崩壊したせいで、スペインによる侵略が後押しされたものの、新たな統治者はまもなくこうした流れを断ち切ろうとした。16世紀末には、自分たちが搾取する現地の労働力を確保しようと、医師を配置して検疫を課した。こうした措置の効果は、よく言っても小さいものだった。

伝染病は波状攻撃のように、だいたい一世代に一度の割合で発生した。最初の150年あまり、総死亡者数は徐々にしか減らなかった。そのうえ、征服そのものの暴力が先住民に及ぼした多方面にわたる経済的、社会的、政治的衝撃によって、全体的な死亡危機が悪化したことは言うまでもない。

ウォルター・シャイデル:スタンフォード大学教授

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