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「見合いで通帳持参」難しいシニア婚活の的外れ感 亡くなった前妻の話ばかり「さみしい」連発も

東洋経済オンライン / 2024年6月20日 12時0分

としえには、20代後半の息子がいた。

「息子は自立して働いていますし、親の持ち物を当てにするような子には育てなかった。それに、離婚した元夫はかなりの資産家で、息子はそちらを受け継ぎます。私の再婚相手の財産なんて当てにしていませんよ」

さらに、続けた。

「初対面で顔を合わせるなり相続の話だったので、ドン引きしてしまいました。こういう話題は、お付き合いが始まって、結婚話が出てくるようになってからすることじゃないですか」

滔々とお金の話をしている男性を見て、としえは「ずいぶん欲深いんですね。でも、心配ご無用です。私は、あなたと結婚しませんから」と、心の中でつぶやいたという。

この連絡のあと、筆者がお見合いのお断りを入れようとサイトを開くと、はやとの相談室からは、『交際希望』の連絡が入っていた。そして、交際を希望する理由がこう書かれていた。

「お見合いで話しただけでは、どんな人がよくわからなかったので、もう一度会ってみたい」

お見合いは、相手がどんな人なのかを探るべく、仕事、趣味、普段の生活スタイルについて楽しく話すのが通例だ。それがいきなり「財産を再婚相手の子どもに渡したくないから、事実婚を希望する」と話されたら、相手は不愉快な気分になる。

その想像力もなく、「どんな人だかよくわかならかったから」と交際希望を出してくるのは、かなりコミュニケーションのピントがズレているではないか。

そこはかとなく香るナフタリン臭

お見合いの席で、いきなりお金の話をする男性は、50代後半、60代のシニアに多い。こんなケースもあった。

まさえ(60歳、仮名)がお見合いをしたかずお(67歳、仮名)は、ティーラウンジの席に座るなり、バッグの中から貯金通帳と土地の権利書を取り出して言った。まさえは再婚、かずおは初婚だ。

「貯金がこれだけあります。持ち家とその土地もあります。年金生活ですが、お金には不自由をさせません」

“お金に苦労させない”と伝えることが、婚活を有利に働かせると思っているのだろう。お見合いを終えたまさえは、筆者に言った。

「赤の他人の貯金通帳を見るのって初めてだったから、ドキドキしちゃいました。じっくり見て、1、10、100、1000、10000……と数えるのもはしたないし(笑)。『はぁ』と言ってチラ見して、視線を逸らしました。土地の権利書は、開きもせずにお返ししました」

さらに、こう続けた。

「ティーラウンジで会うなり、ナフタリンの臭いが鼻をついたんです。おそらくタンスに吊るしてあったスーツを、お見合いのために朝ひっぱり出してきたんじゃないでしょうか」

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