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「見合いで通帳持参」難しいシニア婚活の的外れ感 亡くなった前妻の話ばかり「さみしい」連発も

東洋経済オンライン / 2024年6月20日 12時0分

これは、シニアの婚活ではよく聞く話だ。

ナフタリン臭だけではない。クリーニングから戻ってきたスーツをそのままクローゼットにしまい込み、それを着てきたときの石油臭。しばらく着ていなかったスーツをクローゼットの奥から出してきたときのカビ臭。

シニアを対象にした婚活パーティでは、パーティ会場全体にこれらの異臭が漂っていることがある。

仕事をリタイアすると、スーツを着る機会もなくなる。婚活を始めることになったら、まずはスーツの臭いをチェックしておいたほうがよい。

また、先述した財産相続の話もそうだが、お見合いのときにお金の話をするのは、御法度。どのくらいの収入があるか、財産があるかを相手に伝えるのは、結婚話が具体的になってからのことだ。

もちろん、まさえはかずおに“交際辞退”を出した。

前妻に未練たっぷりのシニア

結婚歴のないみやこ(59歳、仮名)が、離婚歴のあるみつのり(63歳、仮名)とのお見合いを終えて、“交際辞退”の連絡を入れてきた。

「今日の方、奥様を亡くしてから、まだ半年しか経っていないというんですよ。それで、もう婚活するのも驚きなのですが、話をしている内容が、『毎日1人で食事をするのはさみしい。生活をしていても張り合いがない』と、『さみしい』を連発していたんです」

さらに、みやこは続けた。

「死んだ奥さまは、家事が得意で料理上手。家庭的な人だったそうです。私、どちらかといえば、家事も料理も苦手です。家庭的な奥さんと比べられるのは嫌だなと思ってしまいました」

話をしていてもつまらなく、時間が経つのをとても長く感じたそうだ。そこで、45分を過ぎたあたりで話の切れ目を見つけ、「では、そろそろ」と、みやこはお見合いを切り上げようとした。

そこでお見合いは終了となったのだが、2人でティーラウンジを出ると、みつのりが言った。

「時間も夕食どきですし、これから軽く食事をご一緒しませんか? もう少し、あなたの話を聞きたいし」

やっと解放されると思っていたみやこは、うんざり。

「これからもう1つ用事があるので、これで失礼します」と言った。するとみつのりは、「では、駅まで一緒に歩いていきましょうか」と、なかなかみやこを解放しようとはしなかった。

一刻も早く1人になりたかったみやこは、「ごめんなさい。トイレに寄って、電話をしてから帰ります」と、みつのりを振り切るように、その場を離れてトイレに向かったという。

「離婚相手を痛烈に批判」もダメ

死別した配偶者は、美化されがちだ。どんなに素晴らしい相手だったとしても、お見合いの席で、その思い出話を未練たっぷりに話されても、いい気持ちになる女性はいない。

また離婚の場合、自分を正当化し、別れた相手だけを痛烈に批判するのも聞いている側は心地よいものではない。

シニアになると、それまで積み上げてきて経験がその人の価値観を作っていく。それを相手にわかってもらおうとしても、相手にも歴史と価値観がある。

お互いの考え方や結婚への価値観が、ピッタリと合致することは難しい。

シニアの婚活に大切なことは、お互いを許容し合い、認め合える広い心と優しさを持つことなのだ。 
 

鎌田 れい:仲人・ライター

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