ホンダ系部品会社に「リストラの嵐」が吹く根因 ホンダの生産台数は最盛期の6割、中国系開拓へ
東洋経済オンライン / 2024年6月20日 8時30分
「もはやホンダを当てにするような戦略は中国事業で描けない」。あるホンダ系部品メーカーの首脳はそうため息をついた。
【表で見る】主要なホンダ系部品メーカー、7社のうい5社で中国事業が減益
世界最大の自動車市場である中国で日本車の販売が落ち込む中、日系部品メーカーの中国事業も苦戦が鮮明になっている。上場する主なホンダ系部品メーカー7社のうち5社で中国事業が減益となった。
中国事業関連の損失計上が相次ぐ
アンダーボディを中心に手がける車体部品メーカーのエイチワンは、中国の連結子会社で工場の投資回収が難しくなったとして150億円超の減損損失を計上したことなどから、2023年度は188億円の営業赤字、216億円の最終赤字となった。ちなみに赤字は3期連続だ。
車体部品を手がけるJ-MAXは、2023年度の中国(広州と武漢)のセグメント(経常)利益は1200万円と、2022年度の計16億円弱から激減した。広州で生産設備の廃棄や約200人の人員削減を行ったことも響き、2023年度は10億円の最終赤字となった。
2社以外でも、2023年度に中国事業で人員削減や設備縮小による損失計上を余儀なくされた部品メーカーは多い。言うまでもなく、ホンダの中国での不振が背景にある。
2023年度のホンダの中国での販売台数は122万台だった。前期比では2.5%減と落ち込みは小さく見えるが、2020年度の179万台に対しては68%の水準だ。部品メーカーの業績に直結する生産台数は2023年度に116万台。ピークだった2020年度の187万台の62%でしかない。
「期初にホンダが示していた台数より10万台単位で少なかった。準備していた生産設備や人員が余剰となり、固定費が重くなった」と、複数のホンダ系部品メーカー幹部は口をそろえる。
もっとも、各部品メーカーの中国事業のリストラはこれで終わりとなりそうにない。
ホンダも中国事業のリストラを進める
ホンダは昨年末に広州汽車集団との合弁会社である広汽ホンダで全従業員の7%に当たる派遣社員約900人の契約を前倒しで終了した。さらに広汽ホンダでは生産領域で希望退職を募集し、5月半ばまでに約1700人の応募があったという。
藤村英司CFO(最高財務責任者)は中国事業について、「広汽ホンダや(東風汽車集団との合弁会社)東風ホンダ、子会社も含めて、自然減など入れて3000人ぐらいまで減らすことはやりきった」と説明する。
この記事に関連するニュース
-
相場展望6月20日号 米国株: NYダウが、ナスダックやS&P500種などの株価指数に一人負け 日本株: 海外投資家が売り転換、証券(自己)も追随
財経新聞 / 2024年6月20日 11時35分
-
「第2のテスラ」など破綻相次ぐ、米EV企業に「さまざまな逆風」…手頃なHVに消費者流れ
読売新聞 / 2024年6月19日 19時37分
-
ホンダ「新型SUV」登場! トヨタ「ハリアー」サイズの「“クーペ”ボディ」がカッコイイ! 超静音モデル 新型「e:NS2」中国で生産開始
くるまのニュース / 2024年6月18日 12時30分
-
EVと太陽電池に「過剰生産能力」はあるのか?
ニューズウィーク日本版 / 2024年5月29日 10時14分
-
空前の円安でも苦戦、電子部品"反転"の次なる本命 中国とスマホは望み薄、車載とAI関連が期待大
東洋経済オンライン / 2024年5月29日 7時10分
ランキング
-
1「介護を続けましたが、静かに永眠しました」 地元で愛されたヤギ「さつき」が死ぬ 人間の年齢で100歳 兵庫・豊岡
産経ニュース / 2024年6月21日 19時10分
-
2電車で「足を広げて座る男性」にイライラしていると…“ガタイの良い高校生”に心のなかで拍手したワケ
日刊SPA! / 2024年6月21日 15時52分
-
3「断れなかった…」32歳独身・真面目な医師、銀座のホステスとの出会いで一変→「シャネル」「ファーストクラス」に散財の末路
THE GOLD ONLINE(ゴールドオンライン) / 2024年6月21日 16時45分
-
4なぜ日本で売らないんだっ!? いすゞの新「世界戦略SUV」大幅イメチェンに驚きの声 国内カムバック熱望!?
乗りものニュース / 2024年6月21日 17時12分
-
5「イメージしてたキャストは辞退」 主人公の「イケメン化」に賛否あった実写化作品
マグミクス / 2024年6月21日 20時25分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)