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CDベイビー創業者が直伝「人が感動する瞬間」とは やたらとデカい話をしがちな起業家の盲点

東洋経済オンライン / 2024年6月21日 11時0分

周りの友だち全員に伝えたくなるくらいに人が感動するのは、得てしてちょっとしたことです(写真はイメージ:JackF/PIXTA)

起業家としてビジネスを大きくするために、世界を変えるような大きなアイデアが必要だと思い込んではいないだろうか?

プロのミュージシャンで、CD通販サイト「CDベイビー」を立ち上げた起業家でもあるデレク・シヴァーズは、そんなことはないと断言する。

15カ国で刊行され米国でベストセラーになった彼の著者『エニシング・ユー・ウォント:すぐれたビジネスはシンプルに表せる』には、ちょっとしたアイデアを大きなビジネスに成長させた独自の戦略が描かれている。

『「週4時間」だけ働く。』の著者として知られるティム・フェリスが、現代のパイオニア106人に成功の秘密を聞きまくってまとめた本『巨神のツール 俺の生存戦略』の『富編』の中から、紹介しよう。

CDベイビーのビジネスモデルはどう生まれたか

(ティムから)デレク・シヴァーズは、私のお気に入りの1人で、たびたびアドバイスを求めている。哲人王の異名を誇るプログラマーであり、わが師匠であり、陽気なお調子者だ。

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もともとはプロのミュージシャンだった彼は、サーカスでは道化師として客を沸かせた(内省的な自分とのバランスを取るために、道化師の仕事をあえて選択した)。

デレクは、1998年にCDベイビーというオンラインショップを立ち上げた。

これは後に、ミュージシャン15万人のCDを販売し、売上額1億ドルを計上する、最大規模のインディーズ音楽オンラインショップにまで成長した。

2008年、デレクはCDベイビーを2200万ドルで売却すると、その収益を、音楽教育促進のための公益財団に寄付した。

デレクは、CDベイビーのビジネスモデルを生み出した、すばらしいエピソードと価格設定について、話してくれた。

デレク:その頃、ニューヨークのウッドストックに住んでいたんだけど、小っちゃくてかわいい、町のレコードショップを見つけたんだ。

カウンターでは、地元のミュージシャンのCDが売られていた。ある日、店にフラッと立ち寄って聞いてみたんだ。

「ねえ、もし僕がここで自分のCDを売ろうと思ったらどうすればいいの?」

お店の人は教えてくれた。

「いくらで売りたいか、好きに値段を決めてちょうだい。うちはCD1枚につき4ドルもらうから。毎週立ち寄ってくれれば、売れた分を支払うわ」

家に帰ると、早速僕の新しいウェブサイトに、こんなメッセージをアップしたんだ。

CDベイビー誕生の瞬間

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