算数レベルのミス続発「伝説の東大入試」がこれだ 「小学校で習う割合」は東大受験生でも間違える
東洋経済オンライン / 2024年6月22日 11時30分
「戦争」というのは第2次世界大戦のことですね。1940年代後半、戦争から戻ってきた人たちがたくさん子供を持ち、日本では第1次ベビーブームが発生しました。このときに生まれた人たちを「団塊の世代」と言います。「世代」という指定語句はここで使えそうですね。
そして、その団塊の世代が20年経って大人になって、親世代になったことによって発生したのが、今回の問題になっている1970年代前半の第2次ベビーブームになるわけですね。
この「団塊の世代」という言葉も含めて、この内容は中学の社会の授業で習う言葉です。ですから、中学までの知識で普通に考えるとこんな解答が作れるのではないでしょうか。
戦争終結後の1940年代後半に多く生まれた第1次ベビーブーム世代が、20年経った1970年代前半に親になり、出生率が上昇したため。
どこが間違っているのか?
こんな解答を思い浮かべた人は多いのではないでしょうか? この問題、こういう解答をする受験生はかなり多かったですし、先ほども言ったとおり、僕もこんな答えをしていました。
ですがこの解答は、明らかな間違いを含んでいます。小学校の算数の知識的に言って、この答えは間違っているのです。さて、どこが間違いだかみなさんは指摘できますか?
答えは、「出生率」という言葉です。指定語句にもなっているこの言葉の使い方が、根本的に間違っているのです。
おそらく多くの人が、この「1970年代前半に子供が増えた理由」という問題文と指定語句の「出生率」を見て、こう考えてしまったことでしょう。
「ああ、1970年代前半に出生率が多くなったのはなぜか答えなさい、って問題なんだな。だから、答えるときは『〜という理由で出生率が上昇したため』と書けばいいんだろうな」
でも、これが間違いなのです。なぜなら、出生率はそれほど上昇してはいないからです。
「え、子供が増えたって書いてあるじゃないか」と思うかもしれませんが、これがポイントなんです。小学校の算数をあやふやなままで終わらせていると、この「子供が増えた」と「出生率が上昇した」の違いがわからなくなってしまうのです。
子供の「出生数」は、確かに上がっています。100万人台だったのが、200万人を超えるようになっています。 でも、それは「出生率」が上がったということを意味しません。
「率」とは、「割合」のことです。割り算のことであり、分母と分子で表せる数のことです。「勝率」は「勝利した数÷試合数」のことで、「打率」は「ヒットした数÷バッターボックスに立った数」のことです。
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