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算数レベルのミス続発「伝説の東大入試」がこれだ 「小学校で習う割合」は東大受験生でも間違える

東洋経済オンライン / 2024年6月22日 11時30分

同じように、「出生率」とは、人口1000人に対する出生数の割合のことを指します。そして、1970年代前半に、この数字自体は、実はそれほど上がってはいません。

「出生率」は上がっていないけれど、親世代の人数自体が増えたから、子供の数が増えたのです。

例えば、5人に1人が第1志望校に受かる塾があったとします。10人がその塾に入れば2人が合格しますし、100人がその塾に入れば20人が合格します。合格率20%の塾ですね。

その塾が、「去年は100人だったのに、今年は200人も合格しました!」と言ったら、その塾の合格率が上がったと言えるでしょうか? 言えませんよね。その塾に入塾した人の数が500人から1000人に増えただけで、合格率は上がっていないのです。

出生数が増えたのは、出生率が上がったからではありません。親世代の人数が多くなったから、出生率はそれほど上がっていないけれど、出生数が増えたのです。

出生率は、2024年現在はどんどん下がってきています。でも当時はまだあまり低くなってはいませんでした。だから、出生率が大きくは変わっていない状態で親の数が増えたから、出生数が上がった、というわけなのです。

ですから、こういう解答が正しくなります。

戦争終結後の1940年代後半に多く生まれた世代が、20年経った1970年代前半に親になり、出生率も現在ほど減少していなかったため。

言われてしまえばなんてことはないことではあるのですが、多くの東大受験生が「出生率」と「出生数」を間違って解釈して答えを出してしまい、この問題のミスで不合格になった人もいました。この問題で合否が分かれたのです。

仕事や生活の場面にも関連する

そしてこの間違いって、大人になってからの仕事の場面や、何かを買うときにも同じ間違いをしてしまいそうですよね。「去年は100人だったのに、今年は200人も合格しました!」と言われて、「2倍になっているなんてすごい!」と考えてしまいそうになる人、多いのではないでしょうか?

学生時代、「学校の勉強なんてなんの役に立つんだ」と文句を言いながら勉強していた人も多いかもしれませんし、実際僕もそういう人間だったので気持ちはわかるのですが、しかしこの問題を見ると、やっぱり小学校のときの算数の授業は本当に重要だったな、と感じます。

「率」と「数」というちょっとした言葉の違いではありますが、しかしこの違いを強く意識できるかどうかは、小学校のときの割り算の勉強や、あの砂糖水の濃度を例にした計算問題の数々をどれくらい真面目にやったのかによって変わってくるのではないかと思います。みなさんもぜひ、気をつけていただければと思います。

西岡 壱誠:現役東大生・ドラゴン桜2編集担当

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