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プロ野球オールスター戦が盛り上がらない必然 交流戦で他のリーグとの対戦はすでに実現

東洋経済オンライン / 2024年6月22日 13時30分

昨年のプロ野球の観客動員は2507万0169人だった。リピーターが多いので、1度でも野球観戦をした人は1000万人内外と言われるが、そのうち数人に1人しかオールスター戦投票に参加しなかったことになる。

オールスターのファン投票に参加する人が少ないから、特定の球団のファンがちょっとがんばれば「球宴ジャック」が成立してしまうのだ。未だに紙の投票が多いことも驚きだが。

オールスターのファン投票が伸び悩む事情

実はMLBでも「球宴ジャック」が起きかけたことがある。2015年のオールスター戦の中間発表で、ア・リーグのポジションの大半をカンザスシティ・ロイヤルズの選手が占めた。この年、MLBはハガキなど郵送による投票を禁止し、メール投票に一本化した。投票回数は1メールアドレスについて35回としたが、メアド認証の仕組みがなかったために大量の投票が可能になったのではないかと言われる。MLB側は不正と見られる票を大量に無効にするなどして「球宴ジャック」を防いだ。

昨年のMLBのファン投票の最高得票数はブレーブスのアクーニャJr.の308万2600票、次いでエンゼルス大谷翔平の264万6307票だった。これに対しNPBは、阪神の近本光司の76万9587票が最多。これを見ても、NPBオールスターのファン投票は「人気スポーツのわりに少ない」と言えよう。

なぜ、日本のオールスター戦のファン投票が「伸び悩んで」いるのか? その最大の原因は、近年のオールスター戦が、あまり盛り上がらないからではないかと思われる。昭和の昔は、オールスター戦と日本シリーズ以外では絶対に見られない「異なるリーグの選手の真剣勝負」が最大の見ものだった。

しかし、2005年から「交流戦」が始まり、リーグをまたいだチーム、選手による試合が日常的なものになるとともに、オールスター戦の魅力は一気に失われた。

セを代表する強打者、ヤクルトの村上宗隆と、パ屈指の剛腕投手、ロッテの佐々木朗希の対戦も(過去2打数1安打1本塁打)、パの強打者ソフトバンクの柳田悠岐と巨人のエース戸郷翔征の対戦も(過去2打数無安打)、数は少ないながら交流戦で実現している。

交流戦の戦績は、ペナントレースに組み入れられる。個人成績も「公式記録」になる。公式戦ではないオールスターよりも重要度が高い試合で、他のリーグとの対戦が実現したのだから、オールスター戦が色あせるのは致し方ないところではある。

「交流戦」の原型となったMLBの「インターリーグ」

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