「同時にプロポ―ズ」27歳娘と48歳母の本当の話 浮気性の夫と離婚して5年後、まさかのお相手が…
東洋経済オンライン / 2024年6月23日 14時30分
「ずっと離れて暮らしていたし、お金も入れてくれないので、私にも男の人はいました。(恋人が)途切れることはなかったと思います」
その一人が6年間も付き合って結婚も考えた5歳年上の靖男さん(仮名)だった。出会いは今度も酒場である。
「普通の居酒屋ですよ。私が女友だちと飲んでいたら、話しかけてきたんです。『お前はオレと付き合う。いずれ!』と言われました(笑)。何だコイツ、気持ち悪!と思って適当にあしらいましたが、その居酒屋でちょくちょく顔を合わせるようになったんです」
何度か会ううちに「強引なところ」も好きになったと振り返る香澄さん。靖男さんは香澄さんにも娘たちにもひたすら優しかった。
「結婚したかったですよ……。でも、好き嫌いとは違う次元の問題がありました」
それは職人として働く靖男さんが異常に喧嘩好きだったことだ。口喧嘩ではない。見知らぬ相手と殴り合うストリートファイトである。
「怪我をさせたり物を壊したりして留置所に入れられるレベルです。私にはとても受け入れられませんでした。『次に同じことをしたら、もうないよ』と言ったのに、やっぱり喧嘩して……。性分なので直せないと彼は言っていました。約束は約束だからと別れた後は、一度も連絡がありません。ちょっとぐらい連絡をくれてもいいのにと寂しく思ったぐらいです。男気はあり過ぎるほどある人でした」
未練はないけれど忘れられない人は誰にでもいる。香澄さんにとっては前夫ではなく靖男さんなのだ。だからこそ、娘たちが学校を出て働き始めてそれぞれ恋人を作っても、自分は積極的にパートナーを見つけようとはしなった。本気で好きになれる人はもう現れないと思っていたからだろう。
夫となる人との出会い。初めは心は動かなかった
再婚相手の淳一さん(仮名、55歳)との出会いにも気乗りはしなかった。高校時代の友人から紹介されたが、その友だちも「紹介はするけれど、彼女にその気はないと思うよ」と淳一さんに伝えていたらしい。
8年前に妻をがんで亡くした淳一さんは大手企業の役員。スポーツで体を鍛えていて、性格は真面目そのもの。結婚相談所では同世代の女性から人気だったようだが、香澄さんの心は動かなかった。
「私のことは初対面で気に入ってしまったそうです。見た目ではなく中身が亡くなった奥さんに似ている、と後から聞きました。奥さんは明るくて周りを元気にするような人だったそうです」
淳一さんは緊張しているのか目も合わせずにおどおどしていたし、LINEで送ってくるメッセージは難しい漢字だらけで長くて堅い文面。香澄さんは無視こそしないものの、短めの返事だけ送っていた。
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