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仏マクロンの決断は第3次世界大戦を招きうるか 6月30日にフランス総選挙、ロシア派兵は実現するか

東洋経済オンライン / 2024年6月23日 10時0分

フランス・ストラスブールにあるEU議会は、ベルギー・ブリュッセルのEU理事会(各国首脳などによって構成される執行委員会)と並ぶEUの柱だ。

しかし、執行部であるEU理事会は、各国首脳であるがゆえに、大統領や首相の意思が反映する。大統領の意思とEU議会は、少なくともフランスにおいてはギクシャクすることになったことは間違いない。

EU議会で敗北したからといって、それがそのままフランス国民議会に反映されるわけではない。国民議会はフランスの地方選挙で選ぶ議会であり、その投票形式はまったく違う。

しかし2年前、大統領選挙後の総選挙でマクロン支持の政党は多数派を取れなかったこともあり、この2年間、大統領と議会との関係はつねに対決状態であった。今回の結果はそれを反映したといってもいいかもしれない。

とすると、マクロンは民意を尊重して国民議会を解散しようということなのであろうか。いやそうではあるまい。

議会選挙は比例全国区ではなく地方区からなる選挙であり、2回目の最終決戦投票で無難な政党が選ばれる可能性が高い。極右政党や極左政党が勝つ可能性は少ないともいえる。それをにらんだうえでの解散だということだろう。

フランスといえば、フランス革命以来、立法議会と行政権力(首相や大統領)が対立してきた長い歴史がある。この対立の中で議会を強くするか、行政権力を強くするかで憲法は変わってきた。

1958年から始まる現在の第五共和制(1958年~現在)は、第四共和政(1946~1958年)の行政権力を強化することで始まった。

それによって生まれたドゴール政権(1959~1969年)は、独裁色を強め、1968年に学生と市民による5月革命事件が起こる。1969年4月、ドゴール大統領は国民投票によって憲法改正を問い、結局敗北し辞任することになった。

またシラク大統領(1932~2019年、大統領在任期間は1995~2007年)が、EU憲法批准を国民投票にかけて、失敗した例もある。

マクロンは「ミニ・ナポレオン」か

もちろん、1936~1938年の人民戦線内閣のレオン・ブルム(1872~1950年)のように反ナチズム、反ファシズムを掲げ勝利した例もある。いすれにしろ、マクロンは先達の例を気にしながらことを進めなければならないはずだ。

何といっても思い出されるのが、ルイ・ナポレオン(ナポレオン3世、1808~1873年)の場合だ。マクロンは、現代版ナポレオンともいえる。マクロンもそれを意識しているはずだ。

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