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二千円台で宿泊「カプセルホテル」安さ以外の魅力 おしゃれで清潔、睡眠解析も…いつの間にか超進化

東洋経済オンライン / 2024年6月24日 12時0分

解析に必要なバイタルデータの収集は、カプセル内に取り付けた赤外線カメラ、集音マイクと、マットレスに設置した体動センサーで行われる。収集できるデータは、眠りの深さ、中途覚醒や寝返りの数、いびきの音量、心拍数、無呼吸になった回数と時間まで多岐にわたる。それに加えて、指標となる数値を基に、異常心拍や呼吸リズムの乱れなども検出される。

これらのデータを独自のプログラムで解析し、翌日レポートをメールで送付するのだ。このレポートにより宿泊者は、自身の睡眠状態を客観的に把握することができ、睡眠習慣の改善につなげられる。

さらに、バイタルデータから睡眠時無呼吸症候群、不整脈、心筋梗塞のリスクが高い数値が出たゲストには、提携医療機関の無料カウンセリングをレポートとは別途案内。医師や専門家の判断を仰ぐことを勧めている。

睡眠解析装置を設置しているのは現在4ホテル360カプセルで、睡眠解析サービスは予約時に選択できる。しかも無料で。利用者は、ナインアワーズ全体では20~60代と幅広いが、解析が可能なホテルは40~60代が約1割増える傾向にあるという。いびきの音や無呼吸を心配した家族から促されて訪れるゲストもいるそうだ。実際、2021年にサービスを開始してから、約7%のゲストに睡眠時無呼吸症候群が検出されている。

渡邊氏はこの睡眠解析サービスも、ナインアワーズのホスピタリティのひとつだと話す。

「滞在時間で最も長い睡眠に寄り添って様子を見ているようなもので、宿泊後、健康に有用なアプローチも行う。それは大きなホスピタリティと言えるのではないでしょうか」

コンセプトに沿った3つの行為に機能を特化

これらナインアワーズの特徴の根本にあるのが、前述したブランドコンセプト「1h(汗を洗い流す)+7h(眠る)+1h(身支度)」だ。ホテルの機能はそこに特化して設計されている。

たとえば「汗を洗い流す」では、途切れない柱状の湯が身体を流れることで、湯船につかっているようなリラックス感が得られるシャワーを採用。高品質のノンシリコンシャンプー、コンディショナー、ボディソープも設置し、女性向けにクレンジングや化粧水も販売している。

「眠る」については、睡眠解析レポートにプラスして、眠りやすい環境も追求する。まずマットは、繊維メーカーとマットレスメーカーが共同開発したオリジナルで、通気性がよく寝返りがうちやすい。枕も寝返りが打ちやすく、しっかりと首を支えるやわらかさと形を追求している。照明器具も、好みの明るさに自在に調節できる。

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