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日産、「旧ケイレツ」を救済せざるをえない事情 経営危機の河西工業に60億円出資の舞台裏

東洋経済オンライン / 2024年6月24日 9時30分

ただ、日産も子会社化は望んではないようだ。経営難に陥っている河西工業は当面、配当を出せる状況でもない。東洋経済の取材に対して、日産は「自主再建を支援するための出資であり、(子会社化については)再建が実現したタイミングで再度、河西工業と論議します。日産が支配するような意図はありません」とコメントしている。

河西工業は日産から調達する60億円を生産拠点の最適化に使う。北米や欧州の合理化を一段と進めることで、2024~2027年度の4年間累計で49.5億円の収益改善効果を見込む。直近の決算では営業黒字に転換するなど最悪期は脱しつつあり、回復軌道を確かなものにする狙いだ。

日産が取得予定の優先株は2028年4月以降、河西工業が日産へ取得請求することが可能になる。早期に再建が進めば、4年後に日産が株主から外れる可能性も出てくる。

河西工業の半谷勝二社長(9月に相談役就任予定)は「いつまでも日産に甘えきっていてはいけない。早期に再建し、自立できるような体力をつけなければならない」と社員に語っている。

とはいえ、一段の拠点再編には特別損失の計上など痛みを伴う。河西工業はメキシコ子会社の為替換算の計算方法の誤りを理由に、2024年3月期決算もまだ発表できていない。

日産からの異例の支援をもとに自主再建をはたせるか。老舗サプライヤーの正念場は続く。

秦 卓弥:東洋経済 記者

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