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インバウンド増えても大変「外食業界」苦悩の訳 コロナ禍前から圧倒的に変わったことは何か

東洋経済オンライン / 2024年6月24日 8時30分

一方で増えているのが予約での来店だ。予約管理システム「ebica」を運営するエビソルによると、2023年は年間を通して総予約数がコロナ禍以前を上回った。特にウェブ予約の伸びが顕著で、予約をしてから来店する流れが一般的になっていることが読み取れる。つまり、突発的に飲みにいくことが決まるのではなく、あらかじめ日程を決めたうえで、行きたい店を決めて飲みにいく人が増えているのだ。

そこで選ばれるのは、行く価値のある店にほかならない。そもそもサービスレベルが高かったり、SNSで話題だったり、食べるべき料理があったりと、何かしらの価値がある店ではないと予約をしてまで行こうとは思ってもらえない。その結果、顧客体験価値が大切になり、高付加価値化の流れが加速していく。

その価値をつくるものは何かといえば、結局、人でしかない。人手が足りなくなればなるほど、人による仕事の価値は上がり、競争力の源泉になるだろう。

「働く価値のある企業」になれるかどうか

現在、人手不足の中でも、人材の採用に成功し、勝ち残っている外食企業も存在する。それは働く価値のある何かを持っている企業だ。地域で必要とされている店や、そこでしか学べないノウハウなど、何かしらの働く意味や意義のある企業になる。つまり、働く価値がある企業に人が集まり、その人が行く価値のある店をつくるともいえるだろう。

そこでつくり出される価値は、汎用性の高い武器になる可能性が高い。大阪王将の例でいうと、創業以来、店で提供している餃子を磨き続けてきたことが圧倒的な価値を生み、冷凍食品としても大きな支持を集めるまでになっている。公園再生事業やホテルのマネジメントを行う企業も、飲食店を運営する中で磨き上げてきたノウハウを武器にして、他業界への参入を果たしている。

つまるところ、競争の激しい外食業界を生き抜く強みは、他の業界で通用する武器になるということだ。そうした側面からも、外食という枠を飛び出して、存在感を発揮する企業は増えていくだろう。

三輪 大輔:フードジャーナリスト

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