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「中国系頭脳」が"米国に流出"生成AIの熾烈な争い 動画生成「Pika」は華人・華僑の女性達が起業

東洋経済オンライン / 2024年6月24日 13時30分

Pikaは2023年11月末、今年6月と、計2回の資金調達を公表している。実は昨年11月末に5500万ドル(約86億円)を調達した際、杭州市に本社を置き、金融業界向けにソフトウェアを開発するサンヤード・テクノロジー(信雅達科技股分有限公司)の株価がストップ高になった。

同社の会長を郭文景氏の父親が務めており、Pikaと取引関係にある、あるいはPikaに出資しているとの噂が広まり、生成AI銘柄としてサンヤードの株価も急騰したのだ。慌てたサンヤードはすぐに、Pikaとの資本関係や取引を否定するコメントを発表した。

米中対立は生成AIの開発競争でも

生成AIをめぐる開発競争はアメリカ企業がリードし、中国が必死に追い上げている。

2022年11月にオープンAIがChatGPTをリリースし、以前から同社に出資するマイクロソフトが自社サービスに搭載した。グーグルも続き、出遅れていたアップルも2024年6月10日、生成AI戦略を発表した。

一方中国ではバイドゥがやや先行しているものの、アリババ、テンセント、バイトダンスといったメガテックからAIスタートアップ、清華大学のような研究機関まで入り乱れてしのぎを削る。

米中関係の悪化で半導体、電気自動車(EV)など多くの産業で分断が進み、生成AIでも米中はライバルに見える。だが、アメリカの生成AIスタートアップは多国籍のメンバーで構成され、中国系人材も多数働いている、というのも1つの現実なのだ。

同分野で独走するオープンAIも例外ではない。

同社のサム・アルトマンCEOは最新モデル「GPT-4o」を発表した2024年5月中旬、X(旧Twitter)で、開発リーダーのPrafulla Dhariwal氏を名指しし、「彼なしには同製品は世に出なかった」と謝意を示した。

インド生まれのDhariwal氏は同じ日、XでGPT-4o開発チームの主要メンバー16人を紹介した。中国のネット界隈ではXやビジネスSNSのリンクトインを通じてその日のうちに16人の素性の特定が進められ、うち6人が中国系であると推定している。

それぞれの国籍は不明なものの、うち4人は北京大、清華大、中国科学技術大、上海交通大と中国の大学を卒業しアメリカの大学院に進学、グーグルやアップルなどメガテックでの勤務を経てオープンAIに入社しているとされる。

ChatGPTにも中国系人材が関わる?

オープンAIは各製品の開発に関わった「貢献者」のリストを公開しているが、中国メディアなどによると「GPT-4o」の1つ前のバージョンである「GPT-4」にも約30人の華僑華人が含まれているという。

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