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「中国系頭脳」が"米国に流出"生成AIの熾烈な争い 動画生成「Pika」は華人・華僑の女性達が起業

東洋経済オンライン / 2024年6月24日 13時30分

中国系の研究者や技術者がグローバル、つまりはアメリカで活躍していることについて、中国ではさまざまな受け止め方がされている。

北京有力メディアの新京報は、Pikaの郭文景氏がハーバード大に合格したことが話題になっていた2015年12月、「ハーバードに進学するあの女の子、一般人は決して同じことを望むな」という一風変わった記事を掲載している。

同記事などによると、郭文景氏の父は前述した通り上場企業の社長、母は名門・浙江大学を卒業後、MITの博士課程に進学している。アメリカで産まれた郭文景はアメリカ国籍だ。

記事は彼女が何度もアメリカを訪問したり、お金のかかるスポーツを楽しんでいることを紹介し、「郭文景氏がハーバード大に入学できたのは、恵まれた家庭環境」に大きく起因すると主張している。

「天才美少女が中国の高校からハーバード大に進学した」ともてはやす国営メディアを、「富二代(金持ちの子どもという意味)のアメリカ人がハーバードに進学したというだけの話だ」と冷笑し、「ハーバードへの道には経済的な壁もある。一般庶民には縁のない話だから夢を見るな」とくぎを刺しているのだ。

この記事が掲載された2010年代前半は、不動産やIT産業で財を成した経営者や共産党幹部の子どもが最初から恵まれた環境でスタートできることを指す「富二代」という言葉が広がり、格差の拡大や固定化が顕著になっていた。郭文景氏がアメリカ国籍であるとわざわざ言及している点にも、格差への反発が見て取れる。

中国のSNS上でのコメント

一方、最近のSNSのコメントは、エリートがアメリカを目指すことにそう否定的ではない。

オープンAIの開発チームに華僑華人が多く含まれていることには、「人材を育成するにも土壌が必要だ。この人たちはアメリカの企業で鍛えられたからこそ、今のレベルに到達したとも言える」「中国の教育制度の下にいたら、彼らも今のようにはなれなかっただろう」など、「誇らしい」「羨ましい」と感じていても、「けしからん」という意見は少ない。

むしろにじみ出るのは、現状への閉塞感や自国の教育体制への問題意識だ。

浦上 早苗:経済ジャーナリスト

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