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鉄道旅の愉しみ「駅そば」名店に聞く味のこだわり 三島駅の「桃中軒」と我孫子駅の「弥生軒」

東洋経済オンライン / 2024年6月25日 7時30分

――大きなサイズの唐揚げそばはどのように思いついた?

「唐揚げの前に、イカ天そばをやっていました。最初はイカ天そばを売っていたのですが、イカが高騰して仕入れ値がどんどん高くなりまして、それに代わるものとして、ゲソ天とかさまざまやりました。みんなで話して考え、いろいろやった後に唐揚げだったと思います。もう30年以上前の話です」

――いつから丼ぶりからはみ出すほどの大きさになった?

「最初はあんなに大きくなかった。もっと小ぶりの唐揚げを2個付けて売っていました。当時は小さい唐揚げ2個でしたが、売れ行きが良くなって1個売りもしてみようとなり、1個の値段でいくらという風に、販売を始めました。それから、どんどん大きくなっていきました。1個だから小さくしないほうがいいと。もも肉を叩いて下味を付けて、半分にカットしました」

――なぜこれだけ満たされるボリュームの商品を490円で提供できるのか?

「当社の心意気です。自家製だからできることと思います。仕入れはブラジル産のブロイラーという鶏肉のモモ肉です。この仕入れ以外はすべて自家製で、カットから下味、揚げるまで、全部当社でやっています。だしは産地直送、自家製の麺で、コスト的には抑えられる。仕入れだったら、やっぱりこの値段じゃ出せない」

――利用者の反応や感想は?

「遠方から来られるお客さんも満足してお帰りになる。というお話を従業員から聞いています。従業員は、基本的に1人。回転がとても早い弥生軒において、1人で用意し提供する。非常に多忙な仕事です。通常はワンオペだが、ベッドタウンのためサラリーマンが多く、夜に関しては2人体制にしている店舗もあります。弥生軒は我孫子に3店舗、天王台に1店舗。1・2番線の上野寄りにある6号店は、店舗自体も大きく、弥生軒の中で1番売れている店舗です。この6号店に関しては、夜の17時や18時ぐらいは2人体制です」。

――1日どれぐらいの数の唐揚げが販売されているのか?

「多い時で平均1300個ぐらい。朝の4時とか5時ぐらいから従業員が来て、揚げています」。

山下清のエピソード

自家製でのど越しの良いつるつる麵に関しては、植崎社長の父が作ったそばの製法を、ずっと変えずに続けている。先代の伝統を一切変えずに、その手法を守っている。ただし、そばを打つ機械だけは、1回変えたことがあるそうだ。「去年くらいかな、30年ぶりに違う機械に変えたのですが、その時に食感がちょっと違うなと。機械が変わると、もちもち感が変わる、なんとか元に戻そうと。機械を変えたばっかりは、なぜ食感が変わるのかわからず、みんなでずっと悩んで、機械屋さんにも連絡して、いろいろ相談に乗ってもらった。みんなで試行錯誤して、『やっと元の食感に戻ってきたかな』と喜んでいます」。

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