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「怠けられる」人が勤勉な人より成功する納得理由 「怠惰」のおかげで誕生したミュージカルもある

東洋経済オンライン / 2024年6月26日 17時0分

何時間も文献を眺め、創造的なアイデアが出てくるように全力を振り絞ったが、ご想像の通り、うまくいかなかった。惨めで「ダメ」な自分に苛立ち始めていた。落胆と罪悪感を抱えて、私は自分の誕生日と友達に会う目的で数日の休みを取った。

休暇中のある日、友達と長い散歩に出て、手芸工作用品チェーン店「マイケル」の駐車場にいた。友人が花輪を作るのに使うスプレー塗料や造花を買おうとしていた。

突然、よく練られた研究テーマが頭に浮かんだ。その場で立ち止まり、スマートフォンのメモアプリを使って、忘れないように書き留めた。

その週はずっと「怠惰」で、研究に手をつけていないことに罪悪感があったが、その裏で私の無意識はバリバリと作業をしてくれていた。研究から離れて、クリエイティブになれる余地を与えることが必要だったのだ。

「怠惰は敵だ」の思い込みをやめる

やることが山積みのときには、とにかくその場で、できる限りのことを片付けたくなるものだ。

けれど、一時停止ボタンを押して、何もせず怠惰な時間を作り、そこでの気づきや反応を見極めたほうが効率は良くなる、と多くの研究が示している。

いったん減速して切り返すことで、切り捨てるべきタスクが頭の中で整理できる。「怠惰は敵だ」という思い込みをやめれば、タスクを手放すことにも罪悪感はなくなるはずだ。

オーガスト・ストックウェルは、メンタルヘルスの専門家を育成する団体、Upswing Advocates(アップスウィング・アドボケーツ)を運営している。

自閉症、ADHDなどの発達障害がある人やLGBTQ+のニーズに合う専門家を育成する組織で、オーガストは大量の事務仕事、打ち合わせ、電話会議などに多くの時間が取られ、責任も重大だ。

クライアントとの問題について心理士やカウンセラーを叱責しなくてはならないこともあり、心理的負荷も高い。

何年もこうした激務を続けた結果、本人のメンタルヘルスが犠牲になっていた。「あるとき、いつも気が張っていて不眠気味だなって気づいたの」とオーガストは言った。

「職業人としてうまく一線を引けなくて、何にでも、はい、やりましょうと返事をしていた。どれもすごくいいプロジェクトだったからね。でもその結果、自分を疎かにしてた」

サボった行動から学ぶこともできる

オーガストは長年、大きな問題を解決することを最優先にしてきた。とにかく大きなトラブルから順に対処していた。けれど、行動分析のプロとしてその手法を自分の仕事に応用し、業務管理法を改善したという。

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