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「報連相を徹底しろ」は今どき通じるのかを考えた かつてはビジネスの基本として叩き込まれたが

東洋経済オンライン / 2024年6月26日 7時30分

これが進捗報告である。

「先日行った組織風土診断のアンケートだが、結果はさらに3日ほど遅れるようだ」

これも進捗報告である。「変化」があるたびに報告しよう。

「3日遅れると伝えたが、予定通りに分析結果が出るようだ。結果が出たら、全社員に開示する」

これが結果報告である。報告には主に「進捗」と「結果」の報告がある。部下から上司はもちろんのこと、上司から部下に対してもこまめに報告すべきである。

「あれ、どうなったんですか?」

と部下から質問されるようでは、人間関係を良好に保つことはできない。

「なんのこと?」

「組織風土診断のアンケートですよ。もう結果が出たんですか?」

「ああ、遅れてるみたいだ。言わなかったっけ?」

「聞いてませんが」

こんな風に部下から質問される前に、上司も先回りして部下に報告することが重要だ。

相談は相手への報酬と考えよ!

そして最後が「相談」だ。

相談することがなくても、相談しよう。特に上司に対しては、相談をビジネスにおける「報酬」と捉えるべきだ。上司は部下から相談されるとうれしいものだ。解決を目的にしてしまうと、

「ネットで検索したほうが早い」

「ChatGPTで事足りる」

と思うかもしれない。しかし相手と良好な関係を築くためと考えて、あえて自分で解決せず、相談しに行くのだ。

これは上司から部下に対してもそうだ。部下に対しては「報酬」にはならないが、関係を築き、維持するのにとても役立つ。

「オンライン会議のやり方、とても上手だよね? コツがあったら教えてほしいんだけど」

「SNSでこんな意見を見つけたんだけど、君はどう思う?」

他愛もない相談でいいのだ。真剣に問題解決しようとせず、会話のきっかけ作りに使えると受け止めたらいい。

「自分の意見を尊重してくれる」

「私を頼ってくれるんだ」

部下にこのように思ってもらえることが目的だ。

全方位で「報連相の鬼」になれ!

最後にまとめよう。

連絡は「発生型」だ。上司に対してだけでなく、部下にも連絡すべきことが発生したら、すぐに連絡しよう。反対に、報告と相談は「設定型」。自ら設定しないとできないので、報告と相談は強く意識すべきだ。

私は自分に対しても、部下に対しても、クライアント企業の営業にも「報連相の鬼になれ!」と伝えている。上司や部下に対してはもちろんのこと、お客様に対しても「報連相の鬼」になってコミュニケーションをとるのだ。

世の中には、いろいろな「話し方」「伝え方」「コミュニケーション」のテクニックが紹介されているが、私は「報連相」が基本だと思っている。

どんなに口下手でも、聞き上手じゃなくても、報連相さえしっかりしていれば、人間関係を悪くすることはない。繰り返すが、たかが報連相、されど報連相だ。意外とみんな「できていない」ので、「報連相の鬼」になるだけで、大きな強みを手に入れられるものと受け止めたい。

最後に、世の中の上司たちに伝えたいことがある。

部下に報連相を意識してできない人は、部下にマウントをとりたいという気持ちが強すぎるせいだと自覚しよう。自分の上司にはできるのに、部下にはできないのなら部下を尊重していない証拠。

「最近の若者は……」は通じない。全方位で報連相することを心がけよう。

横山 信弘:経営コラムニスト

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