ホンダ「CB650R/CBR650R」止まらない進化の理由 世界初搭載のHonda E-Clutch誕生の開発秘話
東洋経済オンライン / 2024年6月27日 9時30分
①魅せるデザインでは、普遍性と先進性といったネオスポーツカテゴリーが目指す姿をモチーフに、ライダーに過度な前傾姿勢を強いることなく、スタイリッシュでシャープなライディングフォルムを実現。具体的にフロントカウルでは、CBRならではの鋭い顔付きを強調するためヘッドライトデザインを変更し、ミドルカウルからリアにかけての統一感が図られた。
②体感できるパワーユニットでは、直列4気筒エンジンらしい吸気サウンドを実現しながら平成32年排出ガス規制をクリア。また、吸気側のバルブタイミングを変更して、中低域をトルクアップさせて高回転域へのシームレスな加速を実現した。
車体では従来のスチール製ツインスパークフレームの基本構造は変えずに、シートレール後端の形状を変更して剛性バランスを高め450gの軽量化を実現。車体中央部から遠いシートレール後端の形状を変更したので運動性能の向上にも寄与している。足まわりではフロントサスペンションの圧縮側減衰力を強めて、2段目のバネレートを引き下げてバランスさせ、トータルで105gの軽量化を行って上質な乗り味にした。
③充実した先進装備では、新開発の5インチフルカラーTFT液晶メーターを採用。直射日光を受けても見やすくなった。ディスプレイ表示項目はバー、サークル、シンプルの3タイプから選べ、表示色も白色、黒色、白/黒自動変更の3モードから選択できる。GUI(グラフィカルユーザーインターフェース)の最適化とともにフォントや表示色にUD(ユニバーサルデザイン)を採用。スマートフォンとの連携機能である「Honda RoadSync」も標準装備した。
クラッチ操作不要、世界初の機構
ハイライトは世界初の二輪車用Honda E-Clutchだ。Honda E-Clutchはクラッチレバーを握ることなく、ライダーによるシフトペダルの変速操作だけで、発進、変速、停止ができる進化型MTだ。しかもHonda E-Clutchはライダーによるクラッチレバー操作をいつでも受け付けるため、一般的なMTとしても操作できる。
ただし、クラッチ操作はシステムが行うものの、クラッチレバーを装備するため法規上はMTモデルとしてみなされる。よって、CB650R/CBR650Rの場合、AT限定大型二輪免許では乗ることができず、大型二輪免許が必要になる。
「新しい駆動機構を開発してパラダイムシフトを起こしたい、そんな想いから私はホンダを目指しました。入社時は世界初の二輪車用DCT(デュアルクラッチトランスミッション)の開発が最終段階を迎えたころでした。DCTは二輪車向けATシステムとしての完成形ですが、私にはMTを進化させたいという想いがありました。バイクの醍醐味は両手両足、全身を使って走らせることではないか、との考えからHonda E-Clutchの着想にいたりました」(本田技研工業でHonda E-Clutch開発責任者を務める小野惇也さん)
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