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子どもへの「よかったね」が呪いに変わる瞬間 「言い換え」してもなぜ子どもは変わらないのか

東洋経済オンライン / 2024年6月27日 8時50分

【魔法の言葉が呪いの言葉に変わる例】

筆者が推奨している「子どもの自己肯定感を高める10の魔法の言葉」も感情が異なると、呪いの言葉に変わってしまいます。例えば次の3つのケースをご覧ください。

(1)ありがとう

「ありがとう」という言葉は、昔から言われてうれしい言葉、言ってもうれしい言葉として大切にされています。しかし、この「ありがとう」という言葉に乗っている感情によっては、相手を傷つける呪いの言葉に変わってしまうことがあります。

通常は、微笑みながら、やわらかい口調で「ありがとう〜」と言います。すると感謝の気持ちが言葉に乗って届き、相手に「ありがとう」の意味が伝わります。しかし、次のような言い方はどうでしょうか。

眉間にシワを寄せながら、投げやりな言い方で、「ありがと!」と発したとします。どう考えても感謝とは程遠い気持ちしか伝わりません。イラつきが伝わってきます。しかし、使っている言葉は「ありがとう」です。

(2)頑張ってね

「頑張ってね」という言葉は、笑顔で言われたり、別れ際の挨拶代わりに使われたりする場合、言われた側は応援され、励まされた気持ちになります。しかし、嫌味っぽい顔つきで「頑張ってね〜」と言われたらどうでしょうか。言われた側は気持ちを害すると思います。もはや応援という意味での「頑張る」は一切伝わらず、「できるはずもないのに、よくやるよ」というニュアンスの気持ちが相手に届き、心を傷つける言葉に変わります。

(3)よかったね

この言葉は、褒める言葉、承認する魔法の言葉として使われます。心から子どもによかった“気持ち”を伝えたいと思っていると、その言葉は感情とともに伝わっていきます。しかし、本来はうまくいってほしくない気持ちを持ちながら「よかったね!」と言ったとしたら、魔法は消えます。

例えば、子どもがテスト前に勉強せずにゲームばかりやっていて、そのゲームであるステージがクリアしたときに、子どもが「見て、見て、すごいよ、クリアしたよ!」と親に言ってきたときに、親が「よかったね」と言う場合です。明らかに親は「よい」と思っていません。つまり、「よい」という感情がないまま、「よい」という言葉を使っても、その言葉が持つ本来の意味は伝わりません。

魔法の言葉にプラスの感情を乗せる

言葉には言霊があるといわれるように言葉の本来持つ強い力がある一方で、その言葉の意味よりも、その言葉を発している人の感情が伝わってしまうということがあるのです。ですから、親がいくら言葉かけを変えたとしても、そのときの感情が変わっていなければ効果が出ないのは当然なのです。

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