今も要注意「熱中症に扇風機が危険」という"衝撃" 高齢者こそ積極的に「クーラー」を使うべき理由
東洋経済オンライン / 2024年6月27日 11時20分
日本各地で梅雨入りが宣言され、沖縄では6月20日に梅雨が明けた。夏は目の前だ。
昨夏は、1898年の統計開始以来、最も暑い夏だった。
エルニーニョ現象収束で猛暑に
6~8月の気温は、過去30年間(1991~2020年)の平均より1.76℃高く、それまで最高だった2010年を上回った。東京では「救急車ひっ迫アラート」が初めて発令されるなど、熱中症患者が急増した。
今年は、さらに暑くなりそうだ。それは、2023年春から続いていたエルニーニョ現象が終息したからだ。
エルニーニョ現象とは、太平洋赤道域の東側海面水温が異常に高くなる現象だ。終息すると、太平洋高気圧の張り出しが強まり、その縁を回って暖かく湿った空気が流れ込みやくなるため、日本は猛暑となりがちだ。
エルニーニョ現象は、これまで2~7年ごとに発生している。前回終息したのは2010年、2018年。いずれも猛暑だった。2010年の夏が、当時の観測史上もっとも暑い夏だったことは前述した。
今夏、どうやって猛暑からわが身を守るか、本気で考えねばならない。
研究で判明、熱中症の新たなリスク
熱中症患者の大部分は、都市部に住む高齢者だ。エアコンを使用しない人や、認知障害でセルフケアが困難な人がなりやすい。若年者であっても、心臓病や呼吸器の病気などの持病がある人や、社会的に孤立している人はリスクが高い。
地球温暖化が世界的問題となり、熱中症の研究も加速している。6月11日、カナダのモントリオール大学の研究グループが、権威ある『アメリカ内科学会誌』に発表した研究は興味深い。
彼らは、平均年齢28歳の若い成人20人、平均年齢67歳の健康な高齢者21人、冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症、不整脈など)がある平均年齢70歳の高齢者20人を対象に、暑さが冠動脈(心臓の血管)の血流に与える影響を評価した。
いずれのグループでも、体温の上昇とともに冠動脈の血流は増加したが、その反応性は3グループで異なった。
深部体温が1.5℃上昇すると、血流はそれぞれ2.08倍、1.79倍、1.64倍となった。加齢とともに反応性は低下し、その傾向は冠動脈疾患がある高齢者で顕著だった。
特記すべきは、冠動脈疾患を患う高齢者20人中7人(35%)に画像検査で心筋虚血が確認されたことだ。心筋虚血とは、心臓の筋肉に十分な血液が供給されず、酸素不足に陥ることをいう。
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