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京王井の頭線「渋谷の隣」神泉駅の不思議な風景 トンネルを一瞬だけ出てまた入る駅周辺の地形

東洋経済オンライン / 2024年6月27日 7時30分

その後5両化されても同じ対応が続いたが、車体長18mの3000系から20mの1000系への切り替えを前に、ホームを覆うように橋上駅舎を設けるとともに、駒場東大前駅側にホームを延長して、現在の形になった。そのため地下駅のように見えるが、地上駅の扱いであることは変わりない。

独特の地形に建つ駅舎

駅舎は中層の集合住宅のような外観で、1階にホーム、2階に改札がある。改札は1カ所だが、出入り口は北口、南口、西口と3つある。踏切の脇にある北口は階段やエスカレーターで改札階と結ばれるのに対し、南口は踏切からの登り坂の途中なので階段は短く、西口は改札と同じ面にある。独特の地形であることが、この構造からもわかる。

渋谷駅に乗り入れる路線だけあって、通勤時間帯は2〜3分おきに列車が走る。当然ながら踏切は開かない時間が長くなるが、もともと自動車の通行量は少ないし、歩行者は駅舎を使って反対側に行けるので、さほど問題ではないだろう。

駅舎の周辺は、昔からの住宅地という風情で、狭い道が多い。バスの乗り入れはなく、駅前広場もない。筆者は一時、駅の北側に住んでいたことがあるが、まだスマートフォンがない時代でもあり、周辺を歩いていても、どこに駅があるかわからなかった。

それに神泉駅から乗っても、次の渋谷駅で乗り換えなければいけないこと、下北沢や吉祥寺にはほとんど行かなかったこと、歩いて渋谷駅を目指しても15分ほどだったことから、神泉駅を使う機会は数えるほどだった。

どんな人が利用する?

ではどんな人が利用しているのか。京王電鉄広報部に聞くと「2022年度の1日平均の神泉駅乗降人員は1万194人で、定期利用が32.9%、定期外利用が67.1%です」という答えが返ってきた。

絶対数は、井の頭線17駅中14番目にすぎないものの、京王電鉄全体では定期利用が定期外利用を上回っている中、定期外利用がかなり多いことが目につく。さらに広報部は「2021年度の乗降人員は8920人で、定期利用が33.1%、定期外利用が66.9%でした」という数字も教えてくれた。

井の頭線全駅のデータを見ると、2021年度に1万人未満だった駅の中で、1万人以上に増えているのは神泉駅だけであり、わずかではあるが定期外利用が拡大している。

理由の1つは、道玄坂の途中から右に入り、神泉駅の南側をカーブしながら通る道の周辺が、近年「裏渋谷」と呼ばれ、新たにオープンした飲食店が目に付くようになっているためかもしれない。

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