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日本の主権を侵害する香港当局を政府は許すのか 香港の民主・人権活動家が日本に向かわない3つの理由

東洋経済オンライン / 2024年6月27日 12時0分

これに対し、菅野さんは「マグニツキー法を日本もきちんと制定しましょうという普通の国会議員の活動が国家安全維持法の共謀に当たるとされた。国会議員の言論活動が犯罪化されるのは『これではいかん』と日本の国会議員も日本の政府も深刻に受け止めた。ポイントは日本の国会議員の言論の自由だけではなく、日本の市民社会の言論の自由も同じ熱量で守ってもらわなければならない」と述べた。

国民民主党の玉木雄一郎代表は2024年4月18日の衆院本会議で岸田文雄首相に「日本の国会議員の正当な政治活動が他国で犯罪化されることは、国家主権、国民の自由の侵害で絶対に看過できない」として強く抗議するよう求めた。

これに対し、岸田首相は「香港当局に対して関心表明を行っている」と説明し、「わが国の国会議員の言論の自由が保護されるよう、毅然(きぜん)と対応していく」と述べたものの、主権侵害であるとの認識や抗議するとの考えを示さなかった。

菅野さんは「今夏以降に予想されるジミー・ライ氏の判決の際に、私の当時の国会活動が犯罪行為と認定されるようなことがあった場合、日本政府がどの程度しっかり堂々と『これは主権侵害であり、人権侵害である』と言うのか今迷っていると思う。なので、今、ここで私たちが声を上げておくというのがすごく大事ではないか」と述べた。

このほかにも、日本の大学に留学中の香港人女子学生が2023年3月、身分証明書を更新するために香港に一時戻った際、国安法違反の疑いで治安当局に逮捕された。日本留学中にSNSの「フェイスブック」に香港の学生デモを支援するスローガンを転載した。

香港当局の行き過ぎた主権侵害

その中に「香港独立は唯一の道」という文言があり、香港当局が問題視した。香港の裁判所は女性に禁錮2カ月の実刑判決を言い渡した。SNS投稿という香港域外でのちょっとした言動が国安法違反に問われた初のケースとみられ、海外在住の香港人に大きな衝撃を与えた。

はたして香港当局が公然と日本での言論の自由を侵害し、封殺していいのだろうか。日本政府は本来、自国の主権擁護の意識を持っていて、香港当局に制裁などを科すことを辞さない強い態度を示すべきではなかったか。

言論の自由や表現の自由という大事な主権が侵害されているという危機管理意識が政治家にも官僚にも足りていないのではないか。

高橋 浩祐:米外交・安全保障専門オンライン誌「ディプロマット」東京特派員

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