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AI時代にこそ必要となる「IQ以外の知性」って何? チャットGTPの答えを「正しくわかる」ための技

東洋経済オンライン / 2024年6月28日 21時0分

コンピュータやAIが発達した時代に必要とされる「IQ以外の知性」とは、どんなものでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)

AIの進化は私たちに何をもたらし、社会をどう変革していくのか。その答えを探るべく、日本の情報工学をリードする第一線の研究者で、師弟の間柄でもある暦本純一さんと落合陽一さんが「AI時代の知性」をテーマに語った。

本稿では、その対談をまとめた著書『2035年の人間の条件』からの抜粋で、AI時代に必要とされる「IQ以外の知性」について紹介する。

数学の概念は教育で身につけるしかない

──IQ以外で測る知性には、どんなものがあるのでしょうか。

落合:微分の考え方ができる人って、頭が良くて勉強も得意だと思うんですよ。でも、それはIQテストでは測れないんじゃないですかね。

暦本:距離じゃなくて速度とか、速度じゃなくて加速度みたいな話?

落合:そうです。たとえば理系の研究者は、1変数のパラメータをちょっとずつ動かしたときどうなるかとか、2変数だと動きがどう変わるのかとか、あるいは時間を止めて考えてみたりとかしますよね。加速度を固定するなら、速度をちょっと動かして考えてみようとか。

ロボットの動きを分析するには、時間を止めたり、X軸かY軸を固定したりするじゃないですか。物事の仕組みを理解したり、変化を分析したりするときは、そういう思考法が求められる。

理系の研究者だけじゃなく、スポーツ選手もこれが得意だと思いますけどね。たとえば野球の投手が腕の振り方を変えようと思ったら、それ以外の体の動きは変えずに、いろいろな腕の動きで投げたボールがどうなるかを比較するでしょう。これは知性の中でも重要な要素だと思いますけど、生活の中でそれを考える人はあまりいない。

暦本:加速度の話ぐらいまでは実用の範囲内だから、生活感覚でわかりますね。

でも解析学のイプシロン─デルタ論法※1になると、無限という概念を把握しないと理解できない。実用を超越した抽象的な数学だから、教わっても最初は何の話をしているのかわからない状態になる。イプシロン─ デルタは高校で教えるんだっけ?

※1 イプシロン─デルタ論法(ε─δ論法) 解析学(極限や収束などの概念を扱う数学の分野)で、実数値のみを用いることで関数の極限を厳密に定義する方法。ニュートンとライプニッツが創設した微分積分学は、実数の範囲では定義できない無限小や無限大の概念を用いていたが、1860年代にイプシロン─デルタ論法が完成したことで、無限小や無限大という概念を使わずに収束や連続が定義できるようになった。

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