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やりたくない仕事も「縁」と捉える人に訪れる良縁 私たちが誤解している「因縁」のポジティブな力

東洋経済オンライン / 2024年6月28日 19時0分

私たち人間は、自分ひとりで生きているのではなく、「縁」の中で生かされているのです(写真:タカス/PIXTA)

「早く、早く」「負けるな、負けるな」──。

時間に追われ、人に急かされて、いつも頑張ってしまっている自分。しんどいのに、人を蹴落としてでも「私が、私が」と前に出ていかなければ、まわりから取り残されそうでこわい。ぎすぎすした世の中に、生きづらさを感じている人が増えています。

「思い切って、ゆずってみるとうまくいきますよ」と言うのは、禅僧の枡野俊明氏です。人を蹴落とすのではなく、人にゆずることで人生は好転する──。いったいどういうことか、氏の新刊『迷ったら、ゆずってみるとうまくいく』をもとに3回にわたり解説します。

「これも何かの縁だ」と考える

やりたくない仕事、参加したくない会合など、気の進まないことを頼まれたときに、「今手一杯だから、他の人にやってもらってください」、「この業務なら□□君が得意ですよ」、「その日は所用で行けません。○○さんに頼んでください」と、いろいろ理由をつけて仕事を断ったことはありませんか。

断る理由がほんとうなら仕方ありません。

そうではなく、できるにもかかわらず、やりたくないから他の人に仕事を「押しつける」といったケースです。多少は悪いなと思いつつも、いやなことは避けたいという本音が勝ってしまうことがあるでしょう。

それがもし、やりたい仕事、魅力的な仕事だったら、多少無理をしてでも依頼を受けるのではないでしょうか。つまらない仕事は人に押しつけて、自分は好きな仕事だけしたい。それではうまくいくはずがありません。

仏教では、人間関係はもちろんですが、仕事も日常生活も、あらゆるものが「縁」によって存在していると考えます。私たち人間は、自分ひとりで生きているのではなく、「縁」の中で生かされているのです。

つまらない仕事も、魅力的な仕事も「縁」によって巡ってきたのですから、やりたい、やりたくないで考えるのは、縁を無視していることになります。

受け入れると、生きやすくなる

「随縁(ずいえん)」という仏教語があります。いただいた縁に随うという意味です。

「縁」は自分の思い通りになるものではありませんが、良いときも悪いときもその状況を一度受け入れて、冷静に考えて流れに身をまかせることができれば、格段に生きやすくなります。

仕事を頼まれたら、まずはあるがままに受け入れることです。それがやりたい仕事でも、やりたくない仕事でも、巡ってきたご縁です。

その仕事をやりたい、やりたくないにかかわらず、どのような仕事であれ自分の状況をよく考えて、そのときに手一杯なら断ります。ずっとやりたかった仕事であっても、その場合は縁がなかったと、潔くあきらめるのです。

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