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大谷も立証、最新研究からわかった「長眠」の効果 起きている間に学んだことを脳に定着させる

東洋経済オンライン / 2024年6月28日 17時30分

まさに、「レム睡眠」中のバーチャルトレーニングの成果を、「浅いノンレム睡眠」が体に定着させた事例だと思います。

1日をどういう気持ちで終わらせるか

レム睡眠は筋肉が休んでいるものの、脳は活発に活動している状態とお伝えしました。この状態をうまく使えば、これまで「できない」とか「苦手だ」と思い込んでいたことを克服することも可能です。

たとえば、クモが苦手な人がいるとします。この人に、寝る直前まで「クモは安全な生き物だ」「クモは害虫を駆除するなど、世の中の役に立っている」「クモの側から人間に危害を加えてくることはない」といった情報を与え続けたうえで、眠りについてもらいます。

これを繰り返すうちに、クモを苦手とは感じなくなり、毛むくじゃらのクモを手に乗せられるようになるという例が実際に報告されています。これは、睡眠中に「クモは安全だ」という知識が定着し、脳内でクモを触るという行動を体験した結果だと考えられます。

このメカニズムは、何度チャレンジしても越えられない壁が現れたとき、それを乗り越えるために役立ちます。乗り越えるべき壁があるとき、意識すればするほどその壁が高く感じられてしまったという経験はありませんか。「越えられない」という経験を重ねるうちに、潜在意識の中で壁の存在感が増してしまっているという心理状態が考えられます。

そういうとき、とことんまでやってみて、その日はダメでも「自分にはできる。必ずできる」と信じて1日を終えてみましょう。「できる」という気持ちのまま夢の世界で壁に臨み、脳内で乗り越えてしまえば、現実にも好影響がでるはずです。

大谷翔平選手は、シーズン中に全く新しい球種を習得するなど驚異的な学習能力で知られています。トレーニングで自分を追い込み、その日はできなくても「自分には必ずできる」といういいイメージを持って1日を終える。

その結果、夢の中で壁を乗り越え、睡眠中にそれが脳に定着する――。大谷選手の成長が止まらない理由が、そこにあるかもしれません。

角谷 リョウ:上級睡眠健康指導士

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