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有望な若手の将来を脅かす「男女トラブル」事件簿 私生活のもめごとがSNSで暴露され大問題に

東洋経済オンライン / 2024年6月28日 8時30分

Aさんによると、手紙の送り主は、数年前から交際していた社外の女性で、婚約していたことも、破談になったことも事実だという。

だが、本題はここからで、「破談になったのは、婚約中に別の女性と関係を持ってしまい、その女性の妊娠が発覚したことが原因だ」というのだ。

さらに驚くべきは、妊娠した女性が、同じ研究開発部の社員Bさんだということ。Bさんもまた新卒採用時に私が面接を担当し、内定を出した期待の新人だけに、ダブルの衝撃で口に含んだコーヒーを噴き出しそうになった。

「実は婚約していたこと、Bさんは知らないんです……。でも、責任もってBさんと結婚したいと思っています」と、蚊の鳴くような声でつぶやくAさん。

応援していいんだか、悪いんだか、よくわからない告白に困惑したが、ともかくこの件はBさんの耳に入らないよう「トップシークレット扱い」にしなくてはいけない。妙な正義感が湧いた。

私は「元婚約者の女性に対してはどうするつもりか?」と聞くと、「もう一度話し合って、誠意をもって対応をします」という。その後、無事に話し合いの場が持たれて解決したと聞き、ホッと胸を撫でおろしたが、それで一件落着とはいかなかった。

将来のリーダー候補にもなっていた優秀なAさんの、役員からの評価はダダ下がり。役員を巻き込んでいる手前、直属の上司にもこの件を共有せざるを得なく、上司からのAさんを見る目が厳しいものになってしまった。

ここでAさん自身、奮起して、挽回できればよかったが、この一件以来、自信をなくしてしまったのか、その後も満足な成果を出せていない。あれから10年が経つ今も“鳴かず飛ばず”で、昇進できていないと聞く。

男女間のもつれをSNSで暴露され

続いてのケースは、私がベンチャー企業で人事部長をしていたときのことだ。

ある日、広報部の担当者から「うちの社員CさんがX(旧Twitter)で炎上している」と報告が入り、急いでチェックすると、Cさんについて名指しで書かれている投稿があった。

それは、Cさんと関係のあった女性からのもので、「Cからこんな仕打ちを受けた」と、男女間での出来事を暴露するような内容だった。しかもご丁寧に、「〇〇社の社員C」と、うちの会社名まで書かれており、とんだ風評被害になりかねない事態になった。

会社としてもこれ以上、人目にさらされては困る。人事担当含め、広報部の担当者で急きょヒアリングの場を設けた。

CさんはSNSで暴露されていることをそこで初めて知り、慌てふためいている様子。

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