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実は9人に1人が発症「パパの産後うつ」の予防策 「妊娠・出産は母親」で不調が見過ごされがち

東洋経済オンライン / 2024年6月29日 19時0分

父親にも、産前産後のパートナーを支えながら仕事をすること、仕事への影響、職場の理解を得ることなど多くの不安があります(写真:metamorworks/PIXTA)

今や大手企業では男性の育休(産後パパ育休)も当たり前になってきました。しかし、父親になる世代はどうしても仕事の責任やキャリアアップが気になるタイミングと重なりがち。

そんなパパたちが知っておきたい、令和のパパの子育てのホンネと、仕事と両立するための知恵、子どもと二人っきりの時の遊びかたなどを新著『パパの子育て応援BOOK』では紹介しています。

本稿では同書から一部を抜粋しお届けします。

出産のない父親の「産後うつ」

子育てをしていると、楽しいときや大変なとき、時には大笑いしたり、悲しくなったり、怒りたくなるときだってあります。そして、辛いことも。

産後にメンタルヘルスの不調のリスクありと判定された父母の割合をグラフで見ると?父と母に違いは?

特に0歳児の子育ては大変です。一日に何枚もオムツを替えて、泣くたびに抱っこして、授乳もあり、夜泣きもあり、寝不足で心も体も本当に疲れてしまいます。今、母親の10人に1人が子育てを頑張りすぎたり、疲れ切ってしまったり、頼れる人がいなかったり、話し相手がいなかったり等、様々な原因で「産後うつ」になってしまうケースがあります。そして、実は父親も産後うつになってしまうことがわかってきました。

国立成育医療研究センターが2020年に発表した調査〈図〉によると、産後1年間で精神的な不調(=産後うつ)と判定された父親は11.0%で母親とほぼ同じ水準であることが報告されています。

妊娠・出産は母親のこと、というイメージの中で、父親の不調が見過ごされた可能性があります。父親にも、子どもが産まれる前の不安や、産前産後のパートナーを支えながら仕事をすること、仕事への影響、職場の理解を得ることなど多くの不安があります。

夫婦で子育てすることが当たり前になった「令和の子育て」。育児休業取得率が伸び、家事・育児時間が増加し、父親が子育てに積極的になる中、仕事も家事・育児も一生懸命にやりすぎてしまい、心に不調をきたしてしまうケースがあるということです。特に母親と同じように、子育てで頼れる人がいなかったり、相談相手がいなかったり、子どもを通じた地域のつながりがなかったりすることが父親を孤立させます。

では、こうした父親に対して、どうすれば産後うつの予防ができるのでしょうか? 2021年2月に成育基本法の規定に基づいた「成育医療等の提供に関する施策の総合的な推進に関する基本的な方針」が政府により閣議決定されました。

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