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排便後「お尻の拭き方」で差!膀胱炎の"新常識" 「きっかけはおむつ替え」医師が調べた結果とは

東洋経済オンライン / 2024年6月30日 10時0分

尿路感染症を防ぐための「お尻の拭き方」とは(写真:Yoshi/PIXTA)

なんらかの病原体が尿道から入り込み、膀胱や腎臓で炎症を起こして、痛みや不快感を引き起こす「尿路感染症」。多くの女性が一度は経験する可能性のある病気だ。

その尿路感染症にどうやら(というか、やっぱりというべきか)トイレ後のお尻の拭き方が影響するらしい――。この件についてまじめに調査研究を行ったのが、宮城中央病院内科部長で総合内科専門医の赤石哲也さんだ。

尿路感染症は圧倒的に女性に多い。

【表で見る】赤ちゃんのおむつ替えがきっかけ? 東北の医師が実施した「お尻の拭き方」調査の結果

その要因の1つとして、女性の尿道が男性に比べて短く、また肛門に近いため、便に含まれる大腸菌などの病原体が、尿道を経て膀胱に入り込みやすいことが考えられる。

女性の尿道は陰部とも近接しているため、性交渉や月経期間中の衛生管理が不十分な場合にも、病原体が尿道に入り込みやすい。

子どものおむつ替えがきっかけ

「日頃のお尻の拭き方が尿路感染症のリスクになるかもしれない」と赤石さんが気づいたのは、日常のささいな出来事がきっかけだったという。

子どものおむつ替えの際に、お尻の下(肛門)から上(尿道)に向けて拭いていたところ、「お尻は上から下に向けて拭いたほうがいいよ」と妻に指摘された。その理由は「お尻の菌が尿道に入りやすいから」だった。

「この拭き方は、医療現場では寝た状態の患者さんの体を拭く際に実践されている方法なので、知っている看護師さんは多いようでしたが、僕は知りませんでした」

この指摘は理にかなっていると思った赤石さん。そのエビデンス(科学的根拠)を確認しようと調べてみると、そのような研究はまだ存在していないことがわかった。

「そこで、トイレ後の拭き方と尿路感染症リスクの関係を科学的に明らかにするために調査してみようと思いました」(赤石さん)

赤石さんは早速、トイレ(大便)後のお尻の拭き方と尿路感染症の発症リスクの関連を検討する研究として、2020年4月から2023年3月まで、東北大学病院と気仙沼市立本吉病院(宮城県)を受診した男女に対し、アンケート調査による横断観察研究を実施した。

参加者には、年齢や性別、「トイレ後にどのように拭くか」「過去に尿路感染症で通院歴が何度あるか」のほか、感染リスクを高める「糖尿病の有無」などの質問に回答してもらった。

結果として、30~60代を中心に男性141人(年齢中央値47歳)、女性153人(同48歳)の計294人が回答した。

なぜ拭き方が尿路感染症のリスクに?

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