「"自己犠牲"多いアイドルを10年」引退後の本音 彩瀬千聖「これから自分のために生きる」の真意
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 9時0分
日課であるランニングに関しては、以前の記事(「毎日10-20km走る」アイドルの凄すぎる肉体作り)で詳しく紹介したが、引退後もルーティンとして続けているという。
やはり、体力は落としたくないし、アイドルを辞めたからといって怠けていいわけではない。
現役時には感じなかった「アイドルとして自己犠牲」
「でも、本当に今思うのは、これ以上自分を犠牲にしなくていいんだなってことです。引退にあたり、関係者、アイドルの先輩、ファンの方、みんなから揃ったように言われました。“次は自分のために生きてね”って。それだけいろんなことを犠牲にして真剣にアイドルをやってきたので」
冒頭の話、「自己犠牲」。
アイドルに限らずではあることだが、特にアイドルはいろいろなものを我慢し、そのうえで仕事が成り立っている側面が強くある。
彩瀬がアイドルを始めた高校生の頃、同年代の女の子たちが体験すべき事柄を、アイドルであるがゆえに犠牲にしてきたことは多い。たとえば部活動だったり、友人と遊びに行ったり、好きなものを食べ歩いたり。
高校生などであればライブと日程が重なり、修学旅行に行けなかったという話も聞く。土日に休みたくてもライブで休めない。さまざまな自己犠牲を払った上でアイドルは成り立っている。
「でも、振り返ってそう思うのは、引退した今だからなんですよね。現役のときは、とにかく必死で犠牲を払ってるなんて思ってもなかったですし。もちろんダイエットでお菓子を食べるのを我慢しなくちゃとか、そういうのはありましたけど(笑)」
そう、勘違いしてほしくないのは、あくまでも引退した今、振り返ってみるといろんなことを我慢していたなということであり、現役時にそう思いながら続けていたということではないということだ。
だからこそ、彩瀬は10年という歳月、ライブアイドルを続けられ、最高の笑顔をステージから届けることができたわけである。
アイドル活動にあたり必要な自己犠牲。10年間活動してきた彩瀬が考えるところはこうだ。
「よく『ファンに夢や希望を与えられるよう頑張ります』みたいなことを言うのですが、最近の子たちを見ていると“自分がファンに夢を見させてもらっている。喜ばせてもらっている”。自分の承認欲求を満たすためにやっているように見えるんです。
あれってなんか違うなって思うんですよね。本当に誰かのためにアイドルをやるなら、ある程度の自己犠牲は必要になるし、仕方がないことなんじゃないかなって……。私がそうでしたが、自己犠牲と今は言ってますが、現役の時は別に苦じゃなかったですからね」
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