日テレ、広告の「新型取引」でCMはどう変わるのか 広告主側が持っていた「不満」を解消できる?
東洋経済オンライン / 2024年6月30日 13時0分
もちろん、CM考査は事前に済ませておく必要がある。メディアにとって広告素材の考査はいま重要視されているが、そこは事前にきちんと済ませておき、ストックしておいて直前にどれを放送するかを選べるようになる。
インプレッション取引とは?
こうした技術的な新しさと並行して、テレビCMの価値が高まる可能性があるのが、インプレッション取引だ。テレビCMは受発注の単位が視聴率の合計値であるGRP(Gross Rating Point)だった。ある商品のCMを2週間で200GRP流したいとのオーダーに、例えば10%の視聴率の枠を10回、5%枠を20回確保して応える。
ではインプレッション取引とは何か。インプレッションはネット広告の基礎単位で、広告が1回表示されると1インプレッションとカウントする。さらにそれが何%クリックされたかなど、そこから派生する指標も多々あるが、基本はインプレッションでimpと表記する。
AdRMでは、これまでの視聴率=%をインプレッションに換算して取引する。どうすればいいかは、単純な話だ。インプレッションは何回表示されたか。視聴率はその瞬間に何%の人が見たかだから、人口をかければ表示数に換算できる。「視聴率×人口=インプレッション数」の公式で算出できる。
例えば最近は個人視聴率が5%などという番組はざらにある。以前よりずっと低いわけだが、大雑把な計算をすると1億2000万人×5%=600万インプレッション、ということになる。
一度に600万もインプレッションが獲得できるネット広告はそうそうないと思う。インプレッション取引では、テレビCMのリーチ力が莫大であることが明らかになり、その広告効果が見直される可能性があると私は見ている。
例えば人気YouTuberの動画が100万回再生されるとすごいと思うだろう。だが、テレビ番組の視聴率が下がって5%しかとれない、と言われるが600万インプレッションなら、100万回のYouTube動画より多いことになる。しかも動画は数日かけて100万回になるものだが、テレビCMは一瞬で600万だ。テレビはオワコンと言われるが、なんとまだまだいけるではないか、とならないだろうか?
だがこれだけではテレビCMの復権は果たせないだろう。以上のようなことは、広告主だってわかっている。ただテレビは、その莫大なリーチの中身に問題があった。
テレビCM取引で、広告主側が持っていた不満がこの「中身」にある。例えば視聴率が高く10%あるとしても、その大半は50歳以上の女性「F3」で占められることが多い。20~34歳の「F1」にCMを見せたい広告主からすると、不満に思うだろう。しかも枠の値付けは視聴率が基準なので高い。値段が高いのに欲しいF1が少ないようでは割高に感じてしまう。
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