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日テレ、広告の「新型取引」でCMはどう変わるのか 広告主側が持っていた「不満」を解消できる?

東洋経済オンライン / 2024年6月30日 13時0分

一方、視聴率が3%しかないのにF1がたくさん見ている番組があるなら、値段は安いのでお買い得枠になる。

これまでのスポット取引では、割高枠も割安枠も交ぜて一緒くたに売られていた。出稿量が多い「お得意さん」の広告主は「F1含有率を少しでも高くしてくれ」と要望することもあるそうだ。それができたとしても、なんとも不合理な取引をしていた。広告主からすると、F1だけ買えればいいのに余計な部分にまでお金を払っている気持ちになる。一方、テレビ局としては本来は価値がある枠も、ほかと一緒に売ることになっていた。バルク売りと同じで、私が思うに結果的には安売りになっていた可能性がある。

これまでの15才から「10才刻み」に

AdRMのインプレッション取引では、広告主が望めば「F1だけ」を取引することもできる。ただ、AdRMではターゲット設定をこれまでの15才刻みではなく、10才刻みにする。18-24才、25-34才、35-44才のようにこれまでより細かく刻む。これはまた、ネット広告のターゲット分類に合わせているのだ。

だから「1月1カ月で、F18-24を5000万imp買いたい」のようなオーダーができる。これまでは「200GRP買いたい」としか注文できなかったのが、ターゲットを指定して発注ができるようになる。これはテレビCM取引として画期的な変化だ。

ネット広告では、1カ月で18〜24才の女性に5000万impの広告出稿をしてくれと言われたら、慌てふためくだろう。LINEとInstagramと、あそことあそこに広告出稿してそれでも足りない!となるのではないか。

だがテレビCMで1カ月の間に同じターゲットに5000万impを獲得することは可能だ。

テレビCMは確かに以前より視聴率は下がった。若者は見なくなった。それは10年前との比較だ。それでもテレビ視聴量は莫大なので、インプレッション換算するとネット広告では簡単に達成できないリーチを獲得できる。前より見なくなったが、それでも若者もテレビを見ているのだ。

インプレッション取引にはもう1つ効用がある。AdRMは「地上波×インターネット統合在庫セールス」も行うと標榜している。簡単に言うと、TVerと一緒にCM枠を売ります、ということだ。TVerでは再生回数が指標の基準になるが、これはインプレッションと同じだ。テレビCMをインプレッション換算すれば、TVerと同じ広告商品として売れる。

TVerのCM枠とセット販売も可

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