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ChatGPTよりも安全を掲げる"憲法AI"の可能性 AIをトレーニングし安全・無害・誠実な出力を行う

東洋経済オンライン / 2024年7月1日 11時30分

さらに、HTMLやCSSを使ってウェブサイトの叩き台になるものを書き出したり、Javascript言語でブラウザーゲームを作り出すこともできる。

これらのコンテンツは、AIと会話しながらリアルタイムに生成し、画面内でプレビューしながら編集ができる。ウェブ開発者やアプリ開発者なら、使い方次第で従来よりも作業時間を大きく節約することができそうだ。

Artifactsは、まだプレビュー段階であるため、できあがったコードはユーザーが自分で実装し、動作確認する必要がある。とはいえ、この新機能によってClaudeは単なるAIチャットボットというだけでなく、生産性向上ツールとしても使えるようになったと言えるだろう。

そのほかの機能向上としては、画像やグラフ、チャートを解釈する機能、画像からのテキスト抽出といった視覚的な能力が大幅に強化され、無料ユーザーでも使えるようになった。Anthropicは不完全な画像からテキストを正しく書き出すこともできると説明している。統計的な資料を読み込ませれば、グラフやチャートを織り込んだプレゼンテーション資料を生成することもできる。

画像を視覚的に解釈する機能はGPT-4oなどにもあり、Claude特有というわけではないが、Anthropicの発表ではGPT-4o、GoogleのGemini 1.5 Proを上回る能力を持つことが示されている。

注意点としては、Claude 3.5 Sonnetには画像生成機能がないことが挙げられる。

これはもともとClaudeがテキストによる自然言語処理用のAIモデルであるためだが、ディープフェイクや著作権、プライバシーに関する倫理的なリスクを抱えてしまうのを避けるために、機能を用意していないとも考えられる。

悪用と見なされれば回答拒否も

Constitutional AI手法の採用からもわかるとおり、AnthropicはAI技術を誤った目的に使用したり、悪用する可能性があることに対して慎重な姿勢を取っている。もし、悪意を持つユーザーがClaudeで虐待的、欺瞞的、または誤解を招くコンテンツなどを生成しようとすれば、その入力文には同社のポリシーに違反することを示すフラグが付けられ、システムはAIチャットボットに対して、より慎重に回答するか、または回答を拒否するよう指示するとのことだ。

Claude 3.5 Sonnetは、 ClaudeのウェブサイトおよびiPhone / iPadアプリを通じて、無料で利用することが可能だ。ただ、無料の場合はチャットの使用量割り当てが少ないため、業務のなかで使いたい場合や、複数人数で使用したい場合には、有料のClaude ProやTeamプランが用意されている。

Anthropicには先月、Instagramの共同創業者で最高技術責任者(CTO)を務めたマイク・クリーガー氏が加わった。クリーガー氏はInstagramで技術チームを450人以上に増強し、10億人を超えるユーザーが利用するサービスに成長させた実績を持つ。また、OpenAIで人工知能の安全に関する部門を率いたヤン・ライケ氏も迎え入れた。Anthropicは今後も、過度に商業路線に走ることなく、ユーザーをさらに増やしていくことになりそうだ。

タニグチ ムネノリ:ウェブライター

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