突如閉店「メルシー」店主に聞いた本当の"真相" タモリも愛した早稲田の老舗ラーメン店に一体何が
東洋経済オンライン / 2024年7月1日 20時10分
「パートの方が2人いたんですが、2人とも体調を崩され、7月から店に出られる人がいなくなってしまったんです。私と週3でお店に出ている妻の2人だけになってしまい、これでは店は続けられないなと。それが木曜日にわかって、すぐに話して土曜日で閉店しようということに決めました」(小林さん)
「メルシー」は今まで人手にはあまり困ったことはなかった。長く勤めてくれる人が多く、このケースは初めてだったという。
「『休業』という形も考えましたが、またいつから再開できるかはわからないから『一旦閉店』という形が良いのではないかと妻と話して決めました。ひとまずゆっくりして、人を探してからいずれ復活できればと思っています。
最近は夫婦ともに体調を崩しがちで、いい機会だから少し休もうかと。少し疲れていたんです」(小林さん)
調理は店主ひとり、意識が朦朧とすることも…
調理は小林さんがほとんど一人でやってきていて、大きな釜の前でずっとラーメンを作っていると意識が朦朧としてくることもあったそうだ。最近は火傷も増えてきて、疲れを感じていたという。
小林さんが先代とともに厨房に立っていたのが約20年間。その後、代替わりしてからも約20年が経った。40年間、週休1日で厨房に立ち続けてきたのだから疲れが溜まるのも当然だ。
小林さんに「メルシー」の歴史を振り返ってもらった。
「『メルシー』はもともと喫茶店でした。その後、父が進駐軍に勤めていた時に学んできたハンバーガーを出してみたものの全く売れず、別のメニューを模索し始めたんです。
親戚に中華をやっている人がいて、そこで学び、ラーメンを出すようになりました。1970年に今の場所に移転しましたが、その前はカツ丼やかき氷までありました」(小林さん)
移転後はメニューを絞ったが、喫茶メニューのいくつかは残して現在の形になった。一時期はコーヒーも出していた頃もあったという。
筆者は1993年に早稲田実業(当時は早稲田鶴巻町、現在は国分寺市)に入学し、当時から「メルシー」に通っていた。当時ラーメンは350円だった。
「早実があった頃は学生さんも多く繁盛していましたが、早実が移転した頃から、早稲田には新しいラーメン屋さんが増えていき、学生の客足が減っていきました。
「できれば復活して1年でも長くやりたい」
その頃からパートさんを1人減らして続けてきました。
弟子入りしたいという人も2、3人来ましたが、当時は人も足りていたこともあり断っていたんです」(小林さん)
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