1. トップ
  2. 新着ニュース
  3. 経済
  4. ビジネス

任天堂「あえての技術劣化」が業界に与えた好循環 ゲーム業界が「30兆円市場」に成長できた訳

東洋経済オンライン / 2024年7月2日 11時0分

僕もコンテンツ作りはやっていますが、つくづく、マスにタップすることはこんなにも難しいものかと思います。

「鬼滅の刃」や「呪術廻戦」も世界中で楽しまれていますが、辺境のアメリカでも知られているかというと、難しさがある。やはり長年アニメ映像やさまざまなメディアで浸透を続けてきた「ドラゴンボール」「ワンピース」「NARUTO」、そして「マリオ」「ポケモン」。この5作の浸透度は段違いです。

アメリカ人からすれば、なぜ「スポンジボブ」が日本ではやらないんだと思うでしょうし(日本人からすると、そんなに目にする機会がないですよね?)、海外市場の末端にまで認知されるというのは、本当に本当に特別なことなのです。

「本当に面白い」というのは、最初に越えるべき基準点でしかなく、そこから先にクリアしなければならないことがたくさんあります。プロモーションが成功し、類似した競合の強い作品が出ていない、コロナ期のように時代的に後押しされる要素もつきものです。あらゆる要素が奇跡のようにまじりあって、初めて大ヒットが生まれます。

その意味で任天堂は、1980年代にアメリカで「ゲーム」という市場そのものをよみがえらせ、その功績によって現在も海外認知度でトップ5に入る「マリオ」のようなキャラクターを、マスの末端にまで届かせることに成功した世界的企業です。それがハリウッド版映画で証明されましたし、今後もゲームだけではなく、映像やテーマパークを含めたIP展開で、新しい「アハ体験」を拓き続けてほしいですね。

(構成:泉美木蘭)

中山 淳雄:エンタメ社会学者、Re entertainment代表取締役

この記事に関連するニュース

トピックスRSS

ランキング

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

記事ミッション中・・・

10秒滞在

記事にリアクションする

デイリー: 参加する
ウィークリー: 参加する
マンスリー: 参加する
10秒滞在

記事にリアクションする

次の記事を探す

エラーが発生しました

ページを再読み込みして
ください