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無印良品の「冷凍食品」結局どれが売れているのか 「キンパ」だけじゃないこだわりの裏側

東洋経済オンライン / 2024年7月3日 11時0分

それでは、実際にはどんな商品が売れているのだろうか。代表的なものとして日向さんがあげるのは、冷食に参入した当時からラインナップされている「キンパ(韓国風のりまき)」だ。

当時、冷凍のり巻きというコンセプトの商品は日本市場にヒット商品がなく、ライバルがいない状態だった。そこに目を付けた無印は、具沢山な見た目が際立つキンパのシリーズを開発して投入。熱烈なユーザーを獲得しているという。

「解凍したとは思えないご飯の質感、といった感想を多くいただきます。また、ご飯に対する具材の割合が多く、ひと口食べた時の満足感が高いといった味のバランスも評価いただいているようです」(日向さん)

単品の「キンパ」の他に「サムギョプサル」「ヤンニョムチキン」といった、キンパと韓国料理をセットにした商品もある。それらも当時から常に売り上げ上位をキープしてきたそうだ。

今年2月には、「キンパ」の具材を約1.5倍に増やして「キンパ プルコギ」とする全面リニューアルを行ったほか、「野菜ナムル」を追加。また、欠品を起こすことがないように製造キャパも改善したという。

キンパ同様に冷凍食品だと思えないという声が多く届いているのが、コロッケだ。衣のサクサク感、ジャガイモのほくほく感が、評価につながっているという。

そのほか、「塩こうじからあげ」と「もち麦ごはんの枝豆塩昆布おにぎり」も売れ行きが好調という。いずれも比較的最近の商品だが、どちらも発売時にSNSで話題となり、一時、欠品を起こすほどの人気になった。

「塩こうじからあげ」は「鶏むね肉×塩こうじ」の組み合わせ、「もち麦ごはんの枝豆塩昆布おにぎり」は「もち麦×枝豆」の組み合わせだ。こうした組み合わせが、健康志向の消費者の注目を集めたようだ。

価格競争も激しい冷食市場では、安価な競合商品が多数存在する。その点「塩こうじからあげ」は240gで390円と激安ではない。それでも選ばれる理由について、日向さんは「『冷凍むね肉なのにぱさぱさ感がなく、冷めてもおいしい』ことが評価されている」とその強みを説明する。

無印の食品には”変わり種”が多いのも特徴のひとつに感じるが、実際、そう感じている人は多いのではないだろうか。冷凍食品についても同様で、「雲呑麺」「担々麺」などがそれにあたるかと思う。

普段、食卓に並びにくいメニューだが、実際に食してみて、手軽に本格的な味を体験できる商品だと感じた。冷凍食品というと、どうしても「手抜き料理」だと家族にも思われたりしがちだが、こうした凝ったメニューであればそう感じにくい。子どもと大人の両方に満足してもらえる味にもしているそうで、それは日々のメニューに悩む親、とくに母親のニーズに応えている。

冷凍総菜に対する抵抗感・罪悪感を軽減する工夫

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