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人間とコウモリ「意外な共通点」から覚える親近感 一見すると哺乳類とはかけ離れた印象を持つが

東洋経済オンライン / 2024年7月4日 16時0分

サル目がもつ単一子宮は、図のように胎児の成長する場所は1カ所で、他の動物のように子宮角や子宮体といった区別がない最も単純な構造である。一度の出産で1頭の子どもを産む動物に多い。

もちろん、必ずしも1頭しか生まないというわけではなく、人間も然りだが、双子やそれ以上の複数頭が生まれることもある。

空を飛ぶ哺乳類「コウモリ」

同じ単一子宮をもつ動物として、コウモリが挙げられる。コウモリは自由自在に空を飛ぶことから、海に生きる哺乳類同様、一見して哺乳類とはかけ離れた印象をもつ。

コウモリは鳥のように羽毛で構成された翼をもつわけではなく、前足に皮膚を変化させた「皮膜(飛膜)」を張り巡らして飛ぶことを可能にした。子宮をもつという特徴からしても、れっきとした哺乳類であり、正確には「哺乳綱翼手目」に分類される。

ちなみに、同じ哺乳類のムササビやモモンガにもこの皮膜(飛膜)があるが、こちらは自ら飛翔するのではなく、風の抵抗を利用して滑空する。

日本に生息するコウモリは約35種が知られており、超音波を利用したエコロケーション(反響定位)を使って周囲の状況を把握し、エサを探す。夕方になると、公園や軒下を盛んに飛び回る黒い物体を目撃したことのある方も少なくないであろう。

幼い頃、初めてその光景を見た私はひどく怯えた。飛ぶといえば鳥の特権であり、鳥は多くの童謡で歌われているように、日暮れになると山や巣に帰る。それは暗くなると目が見えにくくなるから、というのが幼い頃の私の知識であった。

鳥と同様、日暮れギリギリまで公園で遊ぶのが私の常であった。夕方になり、ああ、鳥さんもお家に帰るのだから私もそろそろ……と帰りかけるころに、やけに活発に飛び回っている動物がいるではないか。当時、ドラキュラという存在が怖くてたまらなかった私は、ドラキュラと共にいつも登場するこの不気味なコウモリを見てひどく怯えたものだった。

コウモリ類への親近感

一方、コウモリは、日本や台湾などでは益獣として重宝されたり、幸運の象徴として親しまれてきた歴史もある。実際に、私が台湾の南西に位置する第2の都市・台南市を調査で訪れた時、コウモリをモチーフにした家紋やお札があちこちの家の軒先に祀られていた。聞くところによると、家を守ってくれる神様として崇められているそうだ。

また、コウモリの顔つきはブチャ可愛い種が多く、不気味なイメージというよりは、イラスト化されたりマスコットになったりする例も多く、一部の人には絶大な人気がある。

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