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18÷0=「0」は間違い?東大生が教える納得の解答 難しい知識がなくても理解できる「関数の極限」

東洋経済オンライン / 2024年7月4日 12時30分

(写真:genzoh/PIXTA)

数学を使って世の中の仕組みを知ることで、物事を見る視野が広がります。現役東大生の永田耕作さんが数学の魅力について解説する連載『東大式「新・教養としての数学」』。今回は「関数の極限」について解説します。

数字は本当にゼロで割ることはできない?

皆さんは、小学生から「数字を0で割ると答えはどうなるの?」と聞かれたとき、どのように答えますか?

今の学習指導要領では、小学3年生で「割り算」を学習します。例えば「10÷5=2」という計算であれば、「10」が「割られる数」であり、「5」は「割る数」と名前がつけられています。この「割る数」が「0」である計算は成立するのかどうか。おそらく多くの人が一度は疑問に思ったことでしょう。

先日、とある小学校の算数のプリントに関するXの投稿が話題となりました。その内容は「18÷0の答えはいくつになるか」というものでした。投稿者のお子さんが「答えなし」と回答したところ、先生にバツにされて、答えがゼロと言われたそうです。

それに対して、「数字を0で割ることはできないはずだ」「答えは0にならないので、この採点は間違っている」という意見が相次ぎました。

電卓やスマホの電卓機能を用いて確かめてほしいのですが、「18÷0」のような割る数が0である割り算の答えは「エラー」や「計算できません」という表示となります。

では、「数字は0で割ることはできない」で終わる話なのでしょうか。この問題はそこまで単純なものではありません。

数字を0で割るとはそもそもどういうことか。割り算の定義から考えてみましょう。四則演算(足し算・引き算・かけ算・割り算)の1つである「除法(割り算のこと)」は、乗法(かけ算)の「逆演算」であると定義されています。これは、

かけ算 2×3=6

割り算 6÷3=2

と並べて見てみるとわかりやすいでしょう。つまり、例えば「18÷3 =?」という問題であれば、その逆演算であるかけ算を考え、

3×●=18(あるいは●×3=18)

という式の●に何が入るかを考えるといいのです。小学生が割り算を教わる際の教科書などでもこのような計算の順序で説明されることが多いです。

18÷0の解答はどうなるのか?

この考え方にのっとり、「18÷0」の計算を考えてみましょう。この逆演算は、

0×●=18(あるいは●×0=18)

の●の中身を考える計算となります。ここで、「0は何倍しても0」という「0(ゼロ)」の定義を用いると、●にどんな数字を入れてもこの式を成立させることはできない、とわかります。

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