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株主に「経営陣退陣」を迫られた2社が残した宿題 主導権は会社側が確保するも"一件落着"ならず

東洋経済オンライン / 2024年7月4日 8時30分

2023年の株主総会では、桑原理哲社長(当時)の選任賛成率が51.2%と、あわや否決という事態に追い込まれた。

総会当日の朝に事態が急転

UGSらの意図ははっきりしない。「経営権を乗っ取るつもりでは」という見方もあるが、株主提案以外に明確な意思を表示しておらず、対応に当たる東洋証券自身もその意図をつかめずにいた。

6月26日の総会当日の朝、事態は動く。東洋証券が桑原理哲社長の取締役選任案を取り下げたのだ。事前の投票で、桑原氏の賛成率が5割に届かないことが確実になったためだ。

総会の結果、桑原氏のほかに櫻井歩常務の選任案も否決され、残る会社提案の6人も50%をぎりぎり超える賛成率だった。一方で、株主提案の5人の取締役候補はいずれも選任されず、株主から取締役を送ることはできなかった。

総会の会場にUGSは現れず、株主提案についての説明もなかった。ある個人株主はUGSに対し「どういう意図なのかわからない。会社を乗っ取りたいなら正々堂々とTOB(株式公開買い付け)をすればいい」と不満の声を漏らした。一方で、会社側に対しても「証券の対面営業はこれからも厳しい。どう成長していくのかを語れないから、こういう事態になる」と苦言を呈した。

株主提案の取締役が入らなかったことで、東洋証券としてはひとまずの猶予ができた形だ。ただ、UGSら“物言う株主”が多くの株式を保有している現状に変わりはない。同様の指摘はダイドーにも可能だ。さらに、ダイドーの株主にはSCのほかに、「旧村上ファンド」として知られる南青山不動産も含まれる(保有比率1.3%)。

業績に苦しむ中小型銘柄が、株主からの圧力にさらされる構図は今後も続く可能性が高い。経営陣が安穏としていられない環境はもはや不可逆だ。

高橋 玲央:東洋経済 記者

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